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リンパ球が少ないとがんリスクは高まる?治療への影響や対応、主な原因を解説

リンパ球が少ないとがんリスクは高まる? 治療への影響や対応、主な原因を解説

投稿日:2026年09月18日

更新日:2026年09月18日

血液検査でリンパ球が少ないと医師から指摘され、がんのリスクや免疫力の低下に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

リンパ球は、体内のがん細胞や病原体を監視・攻撃する働きを持つ免疫細胞です。そのため、数が少なくなると本来の防御機能が十分に働かず、体内の異常を見つけにくくなる可能性があります。

本記事では、リンパ球減少の原因やがんリスク・がん治療との関係性を解説します。

<この記事で分かること>

  • ● リンパ球が少なくなる原因には、感染症やストレス、薬の影響などが挙げられる
  • ● 免疫機能を支えているリンパ球が減少すると、がん細胞や病原体などへの攻撃力が弱まる可能性がある
  • ● リンパ球の減少によって、がんの発症リスクが上がるわけではない

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リンパ球が少ない状態(リンパ球減少症)とは?

リンパ球が少ない状態とは、血液中のリンパ球の数が、一般的な正常値に達していない状態のことを指します。医学的には「リンパ球減少症」と呼ばれていますが、特定の病気の名称ではなく、一つの症状として扱われるケースが多いようです。

リンパ球とは、外部から侵入した病原体や体内で発生したがん細胞などを攻撃する細胞のことです。白血球の一種でB細胞やT細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞といった種類があり、それぞれ異なる役割を果たすことで免疫機能を支えています。

しかし、何らかの原因で体内のリンパ球数が少なくなると、免疫細胞が十分に機能しなくなる場合があります。

リンパ球の基準値は年齢などによって異なりますが、一般的には1,000/μL(マイクロリットル)を下回ると、リンパ球減少と判断されることが多いです。

リンパ球が少なくなる主な原因

リンパ球が少なくなる原因は一つではなく、複数の要因が重なっている場合があります。ここでは、リンパ球の減少につながる主な要因を4つ解説します。

感染症・ストレスの影響によるもの

リンパ球の数は、感染症やストレスの影響によって一時的に低下する場合があります。

インフルエンザや風邪などにかかった際は、病原体から体を守ろうと免疫機能が活発になります。免疫機能が働いている際は、リンパ球が多く消費されるため、一時的に数が減ることがあるのです。

また強いストレスが長期的にかかると、リンパ球の産生が抑制され、免疫機能に影響を及ぼす可能性があります。

ただし、こうした要因でのリンパ球減少は、体調の回復とともに数値が元に戻るケースが多いため、過度に不安になる必要はありません。継続的に数値が低い際や体調不良が続く際は、医師に相談しましょう。

薬の副作用によるもの(抗がん剤など)

リンパ球の減少は、薬の副作用によって引き起こされる場合もあります。

例えば抗がん剤治療や免疫抑制剤などは、細胞の増殖を抑える作用があります。これらの薬は治療の一環として使用されることがありますが、このとき、活発に分裂して入れ替わるリンパ球などの正常な細胞にも影響を及ぼす可能性があるのです。

こういった薬を服用する際、医師の管理の下で定期的に血液検査を行い、リンパ球の数値の変化を確認しながら経過を見ていくことが重要です。

栄養不足(食生活)によるもの

リンパ球の減少には、日々の食生活も深く関わっています。

リンパ球をはじめとする免疫細胞の主材料は、タンパク質です。偏食や食欲低下などでタンパク質が不足すると、免疫細胞の産生が十分に行われず、リンパ球が少なくなる場合があります。亜鉛やビタミン、ミネラルなどの栄養分の不足も、リンパ球減少の要因の一つです。

特定の栄養分が不足したからといって、リンパ球が減少するとは限りませんが、免疫機能を維持するためにも、日頃からバランスの取れた食事を意識しましょう。

リンパ腫などのがん・病気によるもの

がんやリンパ腫などの特定の病気によって、リンパ球の数が減るケースも考えられます。特に悪性リンパ腫や白血病などの血液のがんでは、がん化した異常な細胞が増えることで、正常なリンパ球が作られにくくなります。

悪性リンパ腫とは、白血球の一種であるリンパ球ががん化する病気です。発症すると、首や足の付け根などのリンパ節に腫れやしこりが現れる可能性があります。

病気が原因でリンパ球の数が低下している場合は、症状の悪化を防ぐためにも、早めに医師と治療法を話し合うことが大切です。

リンパ球の少なさとがんリスクの関係性

リンパ球の数とがんリスクは関係する?

リンパ球は、体内で発生したがん細胞を発見し、増殖しないように攻撃する役割を果たしています。ここでは、リンパ球の数とがんリスクの関係性を見ていきましょう。

リンパ球が少ないとがん細胞への攻撃力が弱まる可能性がある

リンパ球の数値だけでがんの発症リスクを判断できるわけではありませんが、数が少ない状態では、がん細胞への攻撃力が弱まる可能性があります。

通常であれば、NK細胞やT細胞、B細胞といったリンパ球が体内で発生したがん細胞を異物として認識し、攻撃を仕掛けます。

しかし、リンパ球が減少した体内では、この防衛システムが十分に機能しなくなる恐れがあるのです。結果として、本来排除できていたはずのがん細胞を攻撃できなくなり、がんの発生や進行を十分に食い止めきれない場合があります。

リンパ球が少ない=必ずがんになるわけではない

体内のリンパ球が少ないからといって、必ずしもがんを発症するわけではありません。がんの発生要因は、人によってさまざまです。遺伝性のものから、生活習慣やウイルス感染を起因するもの、さらには喫煙や飲酒、肥満などが原因で発症する場合もあります。

例えば2024年のがん死亡数で男性1位、女性2位となっている肺がんは、喫煙や有害物質の吸入、肺結核などの疾患が発症の要因となることが分かっています(※)。

このように、がんの発生には複数の要因が関係しており、リンパ球の数値だけで発症リスクを判断することはできません。リンパ球の減少はあくまで体の状態を示す一つの指標であり、単体の数値だけでがんリスクを判断する材料にはならない点を理解しておきましょう。

※参考:公益財団法人 日本対がん協会.「がんの部位別統計」.https://www.jcancer.jp/information/statistics/ ,(参照2026-04-30).

リンパ球の少なさががん治療に与える影響

リンパ球の少なさは、がん治療の経過にも影響を与える可能性があります。

がんの治療法の一つに、手術療法というものがあります。手術療法は、手術でがん細胞とその周辺の組織を物理的に取り除く治療法です。

リンパ球が少ない場合、手術で腫瘍を取り除いたとしても、体内にわずかに残った微小ながん細胞を排除しきれないリスクが高まります。これは、リンパ球が体内に異物がないかを常に監視して退治する役割を担っているためです。数そのものが少ないことで、残存したがん細胞に対する攻撃が十分に行われにくくなるでしょう。

また手術後には再発を防ぐ目的で抗がん剤治療が行われるケースがありますが、リンパ球が少なく免疫機能が十分に働かない状態では、治療によってさらに免疫力が低下する可能性があります。これは、抗がん剤が、がん細胞を攻撃する一方で、正常な細胞にもダメージを与えてしまう性質を持っているためです。

ただし、がん治療の効果は、リンパ球の数だけで決まるものではありません。がんの種類や進行度、治療方法など複数の要素が関係しているため、まずは医師とどのように治療を進めていくかを話し合うことが大切です。

リンパ球の増加を促して免疫力を高めるには?

リンパ球の数値を良好な状態に保ち、がんやウイルスに負けない体を作るには、日々の食生活や生活習慣を整えることが欠かせません。

ここでは、リンパ球の増加を促し、体の免疫力を高めるためのポイントを解説します。

十分な睡眠を心がける

リンパ球の数を安定させるには、睡眠の質を高めることが重要です。質の良い睡眠とは「日中に眠気がなく居眠りをすることがない」「朝目が覚めたときにすっきりしている」といった状態のことです。

睡眠中は、リンパ球の働きを活発にする副交感神経が優位になります。副交感神経が優位になると、体がリラックス状態になるため、免疫機能が整いやすくなり、リンパ球の働きも安定しやすくなります。

睡眠の質を高めるには、寝室の環境を整える、寝る前のスマートフォンの利用を控える、日中の運動量を増やして適度な疲労感を与えるなどの対策が有効です(※)。

※参考:厚生労働省.「知っているようで知らない睡眠のこと」.”良い睡眠のための工夫①””良い睡眠のための工夫②”.https://kennet.mhlw.go.jp/tools/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/leaf-sleep.pdf ,(参照2026-04-11).

免疫力を高める栄養素を積極的に摂取する

主食・主菜・副菜のバランスを基本に、リンパ球の産生を支える栄養素を積極的に摂取しましょう。

例えばヨーグルトやみそ、納豆などの発酵食品は、腸内環境を整える働きがあります。腸内環境が整うと免疫機能が維持されやすくなり、リンパ球の働きにも良い影響が及ぶと考えられています。

またタンパク質は、先述の通りリンパ球を含む免疫細胞の材料となる栄養素です(※)。肉や魚、大豆製品などを献立に取り入れることで、免疫機能の維持につながるでしょう。

さらには、ビタミンは皮膚や粘膜を強化し、体内への異物の侵入を防ぐ役割を担っています。特にビタミンCは、リンパ球を含む免疫細胞を活性化させる作用を持っているため、積極的に取り入れましょう。

※参考:健康長寿ネット.「免疫力を高める食事とは」.”免疫力を高める栄養素1)”.https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/menekiryokuotakamerushokuji.html ,(2023-08-04).

適度な運動を習慣化する

リンパ球の働きを高めるためには、適度な運動を習慣化するのがポイントです。運動は体力づくりにつながるだけでなく、リンパ球の一種であるNK細胞を増加させ、その活性を高める効果が期待できるといわれています。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、1日の身体活動量と運動頻度を以下のように推奨しています(※)。

対象 身体活動量 運動量
高齢者 1日40分以上(約6,000歩以上) 有酸素運動・筋トレ・バランス運動を週3日以上
成人 1日60分以上(約8,000歩以上) 息が弾む程度の運動を週60分以上

急に激しい運動を取り入れるのではなく、まずは散歩や軽いストレッチなど、無理のない範囲から始めてみましょう。

※参考:厚生労働省.「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023(概要)」.https://www.mhlw.go.jp/content/001204942.pdf ,(参照2026-04-11).

リンパ球が少ない場合は原因を早めに特定する必要がある

リンパ球の減少は、がん細胞に対する攻撃力の低下や治療効果への影響につながる可能性があります。数値が低いからといって、がんの発症リスクが必ず高まるわけではありませんが、体の防御機能が弱まる可能性がある点は理解しておきましょう。

リンパ球の少なさが気になる場合は、早めに医師に相談することが重要です。原因を特定し、適切な治療を行うことで、免疫の土台が整いやすくなります。

瀬田クリニック東京では、患者さんの血液から免疫細胞を取り出し、体外で増殖・活性化させたうえで再び体内へ戻し、がんへの攻撃を促す「免疫細胞治療」を行っています治療内容やがんへの適応について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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