当院の
2DG・キラーT細胞療法2DG-Killer T cell therapy
2DG・キラーT細胞療法2DG-Killer T cell therapy
目次
2DG・キラーT細胞療法とは
本治療は、2-デオキシグルコース(以下「2-DG」)という糖の仲間を加えて細胞培養することで、従来のアルファ・ベータ(αβ)T細胞療法より様々な機能を高めた治療法です。従来のαβT細胞療法で得られる T 細胞と比較して、がん細胞を攻撃する機能が向上し、さらにがん細胞による免疫抑制を回避できるため、従来のαβT細胞療法の改良版として、がんに対する免疫細胞治療の効果の向上が期待されます。
なお、本治療は、株式会社メディネットが特許を保有する細胞加工技術「糖鎖修飾改変 T 細胞(*1)」を用いた細胞治療です。
2DG・キラーT細胞療法は成分採血で実施し、一度に最大6回分の治療用細胞を確保することができます。
(*1)株式会社メディネット プレスリリース 「「糖鎖修飾改変T細胞」に関する特許が日本で成立」
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2370/tdnet/2368155/00.pdf
2DG・キラーT細胞の様々な働き
2DG・キラーT細胞療法で得られるT細胞は、基礎的な研究の結果、以下の特徴が確認されています。
その結果、従来のαβT細胞療法で得られるT細胞と比較して、下記のような機能を持つこと(高まること)が確認されています。
1.がん細胞を攻撃する機能の向上
2DG処理したT細胞は、がん細胞を攻撃する物質(パーフォリン/グランザイムB)や、がんに対する免疫反応に重要な物質(IFN-γ、TNF-α、IL-2などのサイトカイン)を多く産生します。
2.がんの目印(がん抗原)に関係なくがん細胞を攻撃する働きの向上
がん細胞は免疫細胞から逃れるため、自身の目印(がん抗原)を隠してしまうことがあります。2DG処理したT細胞は、NK細胞のようにがんの目印(がん抗原)に関係なく(非特異的に)、NKG2Dという物質を介してがん細胞を攻撃する機能が高まります。なお、従来のαβT細胞療法もこの機能自体はあることが確認されています。
3.がん細胞による免疫抑制の回避機能の向上 など
2DG処理したT細胞は、がん細胞が放出する免疫細胞の働きを抑える物質(ガレクチン)が免疫細胞に結合しにくくなり、その結果、がん細胞を攻撃する働きが維持されます。
2DG・キラーT細胞療法の研究データ
当院の2DG・キラーT細胞療法の加工技術
当院の2DG・キラーT細胞療法は、上記の基礎的な研究と同様に従来のαβT細胞療法に比べ、2DG添加群ではIFN-γ、TNF-α、IL-2といったがんに対する免疫反応に重要な因子(サイトカイン)が高い傾向にあることを確認しています。
2DG・キラーT細胞療法の安全性と治療データ
当院の2DG・キラーT細胞療法は、安全性をみる臨床試験(jRCTc030210184)において重い副作用がなく安全に実施できることを確認しています。
2DG・キラーT細胞療法+樹状細胞ワクチン併用療法
当院では、2DG・キラーT細胞療法と樹状細胞ワクチンを合わせて治療を行います。
2つの治療を併用することで、2DG・キラーT細胞と樹状細胞のそれぞれの効果が相乗的にはたらき、より強力ながん抑制効果が期待されます。また、一度の成分採血で各々の治療が最大6回実施可能となります。そのため、樹状細胞ワクチンと同時に併用し細胞を加工することで、培養費用も大幅に削減することが可能となり、経済的にも負担が少ない治療法となりました。
- 当院では症例や治療法の紹介を行う
セミナーを定期的に開催しています