当院のNKT細胞療法
当院が提供するNKT細胞療法の3つの特徴
また、当院のNKT細胞療法は全国各地にある当院の共同研究機関でも同じ治療受けることが出来ます
当院の共同研究機関
目次
NKT細胞療法とは
NKT細胞療法は、患者さんの血液成分から誘導した樹状細胞に糖脂質であるα-ガラクトシルセラミド(α-GalCer)を添加し点滴で静脈に投与します。
この樹状細胞が患者さんの体内にいる少量のNKT細胞を増殖・活性化させ、NKT細胞がもつ様々な働きによってがんを制御することを期待しています。
当院のNKT細胞療法は、成分採血と注射器による採血のどちらでも実施できます。
成分採血の場合、一度に最大12回分の治療用細胞を確保することができます。そのため、何度も成分採血をするような身体的負担を減らし、また1回あたりの治療費を抑えることで経済的な負担も少なくなります。一方、毎回治療時に採血が必要となりますが、通常の採血でも実施可能です。
NKT細胞の様々なはたらき
では、NKT細胞はどのようにして体内でがん細胞を制御しているのでしょうか。NKT細胞のがん細胞制御のしくみには以下のようなはたらきが知られています。
- 1.NKT細胞自身が直接がん細胞を認識して攻撃するはたらき
- 2.直接がん細胞を攻撃するはたらきをもつT細胞やNK細胞などを活性化して、間接的にがん細胞を攻撃するはたらき
⇒がん細胞の目印を認識して攻撃する特異的な免疫(獲得免疫といいます)にはたらくキラーT細胞とがん細胞の目印に関係なく攻撃する非特異的な免疫(自然免疫といいます)にはたらくNK細胞の両方の細胞を活性化します。 - 3.樹状細胞の成熟化※を促進し、キラーT細胞にがん細胞の目印を覚えこませるはたらきを活性化させることで、間接的にがん細胞を攻撃するはたらき
⇒がん攻撃の司令塔的な役割を持つ樹状細胞の成熟化を促進し、キラーT細胞にがん細胞の目印を覚えこませる働きを活性化し、がん細胞を攻撃するキラーT細胞のはたらきをより高めます。
※未熟の樹状細胞は、成熟化するとがんの目印をT細胞に覚えこませることが出来るようになります。
樹状細胞の詳しいはたらきはこちら
その他にも、NKT細胞は免疫細胞からのがん細胞の攻撃を阻害するような悪さをする細胞(抑制性の細胞といいます)のはたらきを抑えることで免疫機能を回復します。NKT細胞によって活性化した免疫細胞は体内に長期的に残り、持続的にがん細胞を攻撃することが知られています。
NKT細胞療法の研究データ
当院のNKT細胞療法の加工技術
当院のNKT細胞療法に使用する樹状細胞は、樹状細胞ワクチンのものよりCD1dを多く出す樹状細胞を使用することで、より効率よくNKT細胞を活性化出来ることが期待されます。
※緑の山が右側にあるほど樹状細胞がより多くのCD1dを出しているいることを示します。
青色の山は全くCD1dを出さない場合の指標(コントロール)です。
(データ提供:メディネット社)
また、このCD1dがより多く出ている樹状細胞にα-ガラクトシルセラミドを加えると、最適条件下で数百倍にもNKT細胞を増殖・活性することが実験で確認されています。つまり、このα-ガラクトシルセラミドを加えた樹状細胞を用いることで、患者さんの体内でもNKT細胞が増殖・活性化され、がん細胞を制御することが期待されます。
(データ提供:メディネット社)
NKT細胞療法の安全性と治療データ
当院のNKT細胞療法は臨床試験(jRCTc030220374)において重い副作用がなく安全に実施できました。また、NKT細胞療法を実施した患者さんの体内で、NKT細胞が増殖し、免疫の活性が高まることを確認しています。
NKT細胞療法に関する治療効果をみる研究はさまざま実施されており、千葉大学では進行・再発非小細胞肺がんの患者さん対象とした臨床試験において良好な成績を確認し、「先進医療B」として国に認可されました。
その他にも、現在もNKT細胞に関する様々な研究が世界中で実施されています。
NKT細胞療法+樹状細胞ワクチン療法
当院ではNKT細胞療法と樹状細胞ワクチンを一度の成分採血で実施することが出来る独自の治療法を提供しています。2つの治療を併用することで、NKT細胞と樹状細胞のそれぞれの効果が相乗的にはたらき、より強力ながん抑制効果が期待されます。また、一度の成分採血で各々の治療が最大12回(全24回)実施可能となります。NKT細胞療法は、免疫機能活性物質を結合させた樹状細胞を体内へ戻す治療法です。そのため、樹状細胞ワクチンと同時に併用し細胞を加工することで、培養費用も大幅に削減することが可能となり、経済的にも負担が少ない治療法となりました。
- 当院では症例や治療法の紹介を行う
セミナーを定期的に開催しています