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当院では「再生医療等安全性確保法」に基づき治療を提供しています

 免疫細胞治療(を含む再生医療)は一般的な保険外診療とは違い、法律に基づく規制の下で行われています。

2013年11月、がんに対する免疫細胞治療などの再生医療の実用化をより安全・迅速に推進するための法律「再生医療等安全性確保法」が成立し、翌年の2014年11月に施行されました。
当院では、同法に則り、認定再生医療等委員会(厚生労働大臣認定)の設置や、厚生労働大臣に対する定期報告などを行い、法律に基づいた治療の提供を行っています。

機能障害や機能不全に陥った生体組織・臓器の再生を図る治療は「再生医療」と呼ばれ、免疫細胞治療の他にも心臓病に対する心筋シートや火傷に用いる自家培養表皮など、様々な技術開発が進んでいます。

そして2010年代に入り、iPS細胞や免疫細胞の一つである樹状細胞の研究に相次いでノーベル賞が授与され、「再生医療」は国内外から大きな期待と注目を集めるようになりました。

政府も再生医療の実用化を国策として推進すると表明し、2013年5月には、その理念法として「再生医療推進法」が成立。再生医療の実用化にあたり生命倫理に配慮しつつ安全な研究開発や普及に向けて総合的に取り組むことが盛り込まれました。それを受け、同年11月に、その基本理念を具現化する制度的枠組みとして、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(『再生医療等安全性確保法』)」が成立しました。

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(厚生労働省WEBサイトの図解を再構成)

再生医療等安全性確保法は、再生医療の実用化をより安全かつ迅速に推進するため、再生医療を提供しようとする者が講ずべき措置や手続きについて規定しています(下図)。がん免疫細胞治療は最もリスクが低いとされる第三種に分類されていますが、それでも、再生医療提供計画の作成や厚生労働大臣に認定された認定再生医療等委員会での審査・承認、更には厚生労働大臣への定期報告など各種手続きが義務付けられており、当然ながら当院も同法を遵守した治療を行っています。

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(厚生労働省WEBサイトの図解を再構成)

 当院として適切な法整備の必要性を訴えて参りました

保険外診療の場合、医師法のもとで医師の裁量で治療ができることからその実態が見えづらく、ともすれば透明性に欠けると指摘を受けることがありました。こうした状況は免疫細胞治療の健全な普及にとって好ましくないため、当院として適切な規制と情報開示を行うための法整備が必要であることも以前より訴え続けてまいりました。

一方で当院では1999年の開院以来、倫理委員会の設置、大学病院等との共同臨床研究、細胞培養における品質管理・構造設備の自主基準策定、厚生労働省通知(医政発0330第2号)に基づく医療提供体制の点検評価活動など、法律が策定される以前より、より安全性の高い治療を提供するための様々な活動を継続してまいりました(そのような活動が評価され、上記法制度の策定にあたり、行政関係者など多数の関係者が細胞培養施設に視察に訪れ、施設基準作りの参考にしていただきました)。

また、当法人代表の阿曽沼元博も検討委員の一人として法整備に積極的に関わり、免疫細胞治療を含む再生医療の安全性確保および健全な普及に向けて行政への積極的な働き掛けを行ってまいりました。そうした活動の結果、私たちの念願であった法制度が整備されたことは、免疫細胞治療の健全な発展を考える上で大変好ましいことと考えております。

先日、臍帯血や免疫細胞を扱う一部のクリニックが、同法に基づく手続きを踏まずに再生医療を提供していたことが発覚しました。当院としても一連の法令違反に対して大変危惧を抱いておりますが、一方で、法律に基づく規制が適切に機能していることの証でもあります。当院としても今回の件を機により一層の法令遵守を進めていくと共に、法律に基づく再生医療が健全に社会に普及していくことを切に願っております。

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