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がんになると免疫力が低下するって本当?免疫が下がる理由や免疫低下中の感染症対策を解説

がんになると免疫力が低下するって本当?免疫が下がる理由や免疫低下中の感染症対策を解説

投稿日:2026年08月14日

更新日:2026年08月14日

がんになると、病気や治療の影響で免疫力が低下することがあります。「風邪を引きやすくなった」「体のだるさが抜けにくい」といった不調を感じたときは「気のせいだろう」で済ませず、免疫力の低下を防ぐための対策を講じましょう。

本記事ではがんと免疫の関係性や、がんによって免疫力が低下するメカニズム、免疫力を維持するために実践したいことをまとめました。がんと診断されたばかりで今後の免疫低下が気になる方や、免疫力の低下によってさまざまな症状に悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。

<この記事で分かること>

  • ● 人の免疫機能にはがん細胞を攻撃する力があるが、がんやその治療によって免疫が低下するとがん細胞が増殖する原因になる
  • ● がんによって免疫が低下する理由は、がん悪液質や骨髄抑制、免疫抑制細胞の増殖、抗がん剤の影響など複数ある
  • ● 免疫が低下している間は感染症対策を徹底するとともに、生活習慣や治療法の見直しなどで免疫力向上を目指すことが大切

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がんと免疫の関係性

がんが免疫低下を招くメカニズムや理由を知る前に、まずはがんと免疫の基本的な関係について確認しておきましょう。

がんは、体の細胞に異常が発生し、がん細胞ができることから始まる病気です。生まれたばかりのがん細胞は検査で確認できないほど小さく、増殖を繰り返して大きくなっていきます。

通常であれば、人の体に備わっている免疫機能によって、がん細胞は破壊されます。この免疫の役割を担っているのが、免疫細胞と呼ばれる白血球やマクロファージ、樹状細胞などです。これらの免疫細胞は相互に密接な関係があり、連携しながら異物であるがん細胞を攻撃・排除するのが基本的なメカニズムです。

何らかの理由で免疫力が低下したり、がん細胞の数が多くなったりすると、免疫細胞で対処し切れず、がん細胞が生き残ります。生き残ったがん細胞は長い年月をかけて大きく成長し、やがて正常な細胞の働きを阻害したり、臓器にダメージを与えたりするようになります。さらにこの段階になると、がんの影響で免疫が低下し始めます。その結果、がん細胞がますます増殖しやすくなるのです。

以上のことから、がんは早期発見・早期治療が重要です。しかし、がん細胞はある程度の大きさになるまで自覚症状がほとんどなく、場合によっては検査で見つからないこともあります。

がんによって免疫力が低下する主な理由

がんになると免疫力が低下すると説明しましたが、その理由は大きく分けて5つあります。

1. がん悪液質の影響

免疫力が低下する大きな理由として考えられるのが、がん悪液質の影響です。がん悪液質は、がんの進行に伴って体の栄養状態が悪くなっていき、通常の栄養サポートでは回復できない状態を指します。具体的には、体重や筋肉量の減少、食欲不振、栄養不足などの症状が現れます。

免疫系が正常に働くためには、酸素や栄養素が不可欠です。そのため、がん悪液質は免疫の低下を招く要因の一つとされています。

2. がんの骨髄への転移・浸潤

がんの骨髄への転移・浸潤によって、免疫力が低下する可能性もあります。

骨髄は、赤血球や白血球、血小板などのあらゆる血液細胞を生み出す「造血幹細胞」が存在する場所です。骨髄が正常に機能している間は造血が盛んに行われるため、免疫に必要な白血球が不足する心配はほとんどありません。

しかし、白血病などの「血液のがん」に罹患したり、がん細胞が骨髄まで転移・浸潤したりすると、骨髄の造血機能が著しく阻害されます。その結果、白血球の産生量が減少し、免疫力が大幅に低下することがあります。

3. 免疫抑制細胞の増殖

免疫抑制細胞の増殖によって、免疫力が低下することもあります。

免疫抑制細胞とは、免疫細胞の働きを抑える細胞のことです。免疫細胞は異物から体を守るために必要不可欠な存在ですが、免疫細胞が過剰に働くと正常な細胞まで傷つける恐れがあります。そのような免疫の暴走を抑えるのが免疫抑制細胞の役割です。

しかし、がん細胞はこの性質を悪用し、免疫抑制細胞を過剰なまでに増殖させることで、免疫細胞の働きを必要以上に阻害しようとします。その結果、免疫力が著しく低下する恐れがあるのです。

4. がん細胞による栄養(エネルギー)の奪取

がん細胞によるエネルギーの奪取も、がんによって免疫が低下する理由の一つです。

免疫系の要であるT細胞が働くためには、十分なエネルギーが必要です。T細胞には、がん細胞を直接攻撃する「キラーT細胞」や、攻撃の指示を出す「ヘルパーT細胞」などがあります。

がん細胞は自身の増殖のために、周囲のブドウ糖(グルコース)などの栄養を大量に消費します。そのため、がん細胞の周囲ではT細胞が活動するための栄養が不足し、エネルギー切れを起こすのです。

近年の研究では、がん細胞がT細胞から、エネルギー産生器官である「ミトコンドリア」を奪う性質があることも報告されています。これも、がん細胞に対する攻撃力が低下するメカニズムの一つであると考えられています。

5. 抗がん剤の影響

がんの治療に用いられる抗がん剤も、免疫力の低下を招く要因の一つです。

抗がん剤は増殖の早い細胞を攻撃するという特徴があるため、がん細胞だけではなく、骨髄で新しく作られる白血球などにもダメージを与えます。これが「骨髄抑制」です。

抗がん剤による骨髄抑制は、治療が終了すれば徐々に回復していきます。しかし、白血球の減少量には個人差があり、著しく減少した場合は、感染症が重症化しかねません。場合によっては、抗菌薬を用いた治療が必要になることもあります。そのため、抗がん剤投与後は定期的に血液検査を行い、血液細胞の状態を小まめにチェックすることが大切です。

がんによって免疫力が低下した場合の感染対策

がんによって免疫力が低下した状態が続くとさまざまな病気に罹患しやすくなるため、感染症対策を行う必要があります。

ここでは、がんによって免疫力が低下した場合に実践したい対策を4つご紹介します。

1. 手洗い・うがい・消毒を習慣にする

感染症対策の基本は手洗いとうがい、消毒を徹底することです。

外から帰宅したときやトイレに入った後は石けんを使って手洗いし、手に付着した細菌やウイルスを落としましょう。指の間や爪の隙間なども念入りに洗浄し、汚れを落とすことが大切です。

外出後は、うがいも丁寧に行いましょう。なお、口内炎などの副作用がある場合は、刺激の強いうがい薬の使用は避けた方が良いこともあります。

手洗いを済ませたら、アルコール消毒剤を両手にすり込むのも効果的です。風邪やインフルエンザなどのウイルスの他、手洗いだけでは落とし切れなかった雑菌の除去に役立ちます。

ただし、ウイルスの中にはアルコール除菌が効かないものもあります。アルコール除菌はあくまでも補助と考え、基本である手洗いを怠らないようにしましょう。

2. マスクを着用する

マスクを着用すると、菌やウイルスの侵入を物理的に防ぐ効果が期待できます。ただし、着用の仕方を誤ると予防効果が低下しかねません。以下のポイントを守って、適切に使用しましょう。

  • ● マスクを着ける前に手洗いをする
  • ● マスクのプリーツを伸ばし、鼻から顎まで隙間なく覆う
  • ● 着用中はなるべくマスクに触れない
  • ● 外すときはひもの部分を持ち、マスクの表面に触れないようにする

3. 人混みを避ける

感染症のリスクは人の多さに比例するため、外出する際はなるべく人混みを避けて行動しましょう。特に抗がん剤治療中は免疫力が低下しやすいです。人が多いところに近寄らない、混雑する時間帯を避けるなどして過ごすことも大切です。

4. 口腔内を清潔に保つ

口腔内を清潔な状態に保つことも、有効な感染症対策の一つです。

唾液には「IgA」と呼ばれる抗体が存在しており、口腔内に侵入しようとする細菌やウイルスを撃退する役割を担っています。しかし、口内が清潔でないとIgAが正常に働かず、細菌やウイルスの侵入を許す可能性があります。

IgAによる免疫を維持するためにも、日頃から歯磨きやうがいによるオーラルケアを行い、口腔内を清潔に保ちましょう。

がんで低下した免疫力をアップさせる方法

がんで低下した免疫力を元の状態に戻したいのなら、日常生活や治療法の見直しに取り組んでみましょう。

ここでは、免疫力を維持・向上させるための具体的な方法を3つご紹介します。

1. 食生活の見直し

免疫の正常な活動には栄養分が欠かせないため、日頃から栄養バランスの取れた食生活を心掛けましょう。

免疫細胞は腸に多く存在するため、整腸作用のある食品を積極的に取ることが免疫アップにつながります。例えば乳製品や発酵食品は、善玉菌優位の環境へと導く乳酸菌やビフィズス菌が多く含まれており、腸内細菌のバランスを整えるのに効果的です。また、乳酸菌やビフィズス菌のエサになるオリゴ糖を豊富に含むタマネギやバナナなども摂取することで、腸内環境の改善につながるでしょう。

ただし、抗がん剤治療中は吐き気や嘔吐などの副作用が起こりやすい他、抗がん剤との相互作用が懸念される食材もいくつかあります。食生活を見直すときはかかりつけ医に相談し、食べられるものと食べてはいけないものについてアドバイスを受けることをおすすめします。

2. 良質な睡眠を取る

睡眠不足に陥ると免疫機能が低下し、さまざまな疾患を発症するリスクが高くなるといわれています。

特に、夜更かしの習慣がある方や生活リズムに乱れがある方は、慢性的な寝不足に陥っている可能性があります。適切な睡眠時間を確保するように心掛けましょう。

また、単に長く眠れば良いというわけではありません。睡眠の質を高めることも重要なポイントです。朝起きたら太陽光を浴びて体内時計をリセットする、寝室を暗く静かな環境にする、寝る前に過度のアルコールやカフェインを摂取しないなどして、睡眠の質の向上に努めましょう。

3. 免疫細胞治療を検討する

免疫細胞治療は、患者さん自身の免疫機能を強化することで、がん細胞を抑え込む治療法です。自分の細胞を利用するため、抗がん剤のような重い副作用はなく、治療をすることができます。

免疫細胞治療は外科手術や放射線治療、抗がん剤治療など、その他の治療法と組み合わせることも可能です。そのため、治療の選択肢を広げる方法としても注目されています。

がんによる免疫力の低下に注意! 感染症対策や免疫力向上に努めよう

がんになると、がん悪液質や造血機能の低下、免疫抑制細胞の増殖など、さまざまな原因によって免疫力が低下しやすくなります。また、抗がん剤治療も免疫の低下を招く要因の一つです。がんと診断された場合や、抗がん剤治療中は、入念に感染症対策をしましょう。日常生活や治療方法を見直し、免疫力の維持・向上を目指すことも大切です。

瀬田クリニック東京では、骨髄抑制などの副作用のリスクが少ない免疫細胞治療を行っています。免疫細胞治療の専門クリニックとして培ってきた長年の経験と実績を基に、患者さん一人ひとりに適した治療プランを提案します。免疫細胞治療にご興味がある方はぜひお問い合わせください。

瀬田クリニック東京について

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