再生・細胞医療の実用化推進のための法案が成立
2013年11月20日(水)、第185回臨時国会において、免疫細胞治療等を含めた再生・細胞医療の実用化をより安全かつ迅速に推進するための法案「再生医療等の安全性の確保等に関する法律案」(以下、再生医療新法 *1)と「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律案」(以下、改正薬事法 *2)が成立しました。
昨今、再生・細胞医療は、樹状細胞やiPS細胞の研究にノーベル賞が授与されるなど国内外から大きな期待と注目を集めるようになり、政府もその実用化を国策として推進すると表明しました。本年5月にはその理念法として「再生医療推進法」(*3)が国会で成立し、同法には再生医療の実用化にあたり生命倫理に配慮しつつ安全な研究開発や普及に向けて総合的に取り組むことが基本理念として盛り込まれています。今回、その基本理念を具現化する制度的枠組みとして上記2法案が成立しました。
瀬田クリニックグループは、1999年の開院以来、倫理委員会の設置、大学病院等との共同臨床研究、細胞培養における品質管理・構造設備の自主基準策定、厚生労働省通知(医政発0330第2号)に基づく医療提供体制の点検評価活動など、約15年に亘り、より安全性・有効性の高い治療を迅速に提供するための活動を継続してまいりました(*4)。また、当法人代表の阿曽沼元博も検討委員の一人として今回の法整備に積極的に関わり、再生・細胞医療の安全性確保および健全な普及に向けて行政への積極的な働き掛けを行ってまいりました。
今国会で成立した再生医療新法および改正薬事法は、再生・細胞医療を安全性と有効性を伴った形で提供することを重視すると共に、より迅速に普及させることを目的としています。瀬田クリニックグループもその趣旨に則り、免疫細胞治療に関するより高い安全性・有効性を確保するための取り組みを続けることで、患者さん・ご家族及び医療関係者の方々の更なる信頼を得ると同時に、今後の再生・細胞医療の一層の普及・発展に貢献してまいります。
(*1)再生医療等の安全性の確保等に関する法案(再生医療新法)
再生医療等の迅速かつ安全な提供等を図るため、再生医療等を提供しようとする者が講ずべき措置を明らかにするとともに、特定細胞加工物の製造の許可等の制度等を定めた法案。リスクに応じた再生医療等の分類、再生医療等の提供に係る手続きや適正な提供のための措置、更には特定細胞加工物の製造委託等について規定している。(厚生労働省WEBサイトより)
(*2)医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法案(改正薬事法)
医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供の確保を図るため、添付文書の届出義務の創設、医療機器の登録認証機関による認証範囲の拡大、再生医療等製品の条件及び期限付承認制度の創設等の所要の措置を講じた法案。医薬品、医療機器等に係る安全対策の強化や、医療機器の特性を踏まえた規制の構築、再生医療等製品の特性を踏まえた規制の構築等について規定している。(厚生労働省WEBサイトより)
(*3)再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律(再生医療推進法)
再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするために、その研究開発及び提供並びに普及の促進に関する施策に関する基本事項を定めた法律。基本理念を定め、国、医師等、研究者及び事業者の責務を明らかにするとともに、再生医療の研究開発から実用化までの施策の総合的な推進を図り、もって国民が受ける医療の質及び保健衛生の向上に寄与することを目的としている。(厚生労働省WEBサイトより)
(*4)再生・細胞医療に係る安全性・有効性の更なる向上への取り組み