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免疫寛容と免疫は反対の仕組み?がん免疫治療と免疫力を高めるポイントも併せて解説

投稿日:2024年10月18日

更新日:2024年10月18日

医学が目まぐるしく進む現代では、新しいがんの治療法が次々に登場しています。しかし治療に関する説明を受ける中で、免疫、免疫寛容の複雑さに戸惑う方もいるのではないでしょうか。

免疫寛容とは、免疫が特定の対象を攻撃しないよう、寛容になっている状態を指します。

本記事では、免疫と免疫寛容の基本的な知識、がん免疫治療などについて解説しました。すぐに役立つ情報として、自分で免疫力を高めるコツも紹介しています。免疫や免疫寛容、がん免疫治療に興味がある方は、ぜひ、最後までお読みください。

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免疫寛容・免疫の基礎知識

免疫と免疫寛容は、どちらも健康の維持に重要な役割を果たす体内のシステムです。しかし両者を一言で表すと、まったく相反する仕組みに見えます。

  • 免疫:体に入ってきた異物を排除する働き
  • 免疫寛容:体に入ってきた異物を受け入れる働き

本項では免疫と免疫寛容について解説していきます。

1. 免疫とは

免疫とは、人間の体に備わった、ウイルスや細菌などの異物を攻撃・排除するシステムのことです。体の中に異物が入ると、免疫に関わるさまざまな細胞(免疫細胞)が働き、速やかに攻撃します。

このとき、免疫が異物を見分ける基準になっているのが自己か非自己かです。免疫は自分自身の細胞(自己)に対しては働きません。自己ではない異物(非自己)と認識した場合のみ攻撃・排除します。

人は毎日、口や鼻から無意識のうちに異物を取り込んでいますが、そのたびに病気にかかるわけではありません。免疫がしっかりと働いて、異物を排除しているからです。また免疫は異物だけでなく、体の中にあってはならない老廃物やがん細胞なども処理しています。

2. 自然免疫と獲得免疫

免疫の仕組みには、自然免疫と獲得免疫の2つがあります。異物が体の中に入ると、まず自然免疫が攻撃・排除し、それでも処理できない異物には獲得免疫が働きます。

獲得方法 役割
自然免疫 生まれつき体に備わっている 異物を最初に攻撃・排除する
獲得免疫 体に侵入した異物の情報を記憶(免疫記憶)することで備わる 自然免疫が処理しきれなかった異物を取り除く

ワクチンは、獲得免疫の免疫記憶を利用したものです。人間はワクチンの接種により、病原体の情報を安全な状態で体に入れ、免疫に記憶させられます。

あらかじめワクチンを接種しておくと、同じ病原体が体に入ったときに獲得免疫が働き、病原体を攻撃・除去してくれます。

3. 免疫寛容とは

免疫寛容とは、免疫が非自己をあえて攻撃せずに受け入れる(寛容する)働きのことです。

非自己には、体に必要なものも存在します。例えば、食べ物は非自己の塊ですが、通常なら食べ物に対して免疫が働くことはありません。免疫は口から入った食べ物を体に必要なものと認識して、攻撃せず受け入れます。これは経口免疫寛容と呼ばれる現象です。

人間は、免疫と免疫寛容がバランス良く働くことで、体に有害な異物を攻撃しながら、自分自身を傷付けず保てるようになっています。

免疫力を高めるポイント

免疫力を高める方法のうち、どなたでも手軽に始められるのが、腸を健やかに保つ食生活と、笑うことです。本項ではこの2つについて解説していきます。

腸や笑いが免疫力に関係すると聞いて、意外に感じる方がいるかもしれません。しかし、これにはきちんとした根拠があります。

1. 免疫力を高める食生活とは

食生活から免疫力を上げるには、腸を健やかに保つ工夫が有効です。腸内の善玉菌を構成する物質には、免疫機能を高める働きがあるとされています(※)。免疫力を高めるための主なポイントとして、以下の3つが挙げられます。

※参考:厚生労働省.「e-ヘルスネット 腸内細菌と健康」.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html,(参照 2024-08-06).

(1)同じ時間に栄養バランスの取れた食事をする

腸を健康にする食生活のポイントは、生活リズムと栄養素です。毎日同じ時間に食事をすると、生活や排便のリズムが作られ、腸内環境が整います。食事を抜くと必要な栄養素が不足しがちになるため、一日3食をしっかり取ることも意識しましょう。

主菜・副菜・主食を基本とした献立を作ると、自然に栄養バランスが整います。また、唾液にも免疫力を高める酵素が含まれていますから、よく噛むことも効果的です。

農林水産省では、バランスが取れた献立を考える際の参考として「食事バランスガイド」を作成しています(※)。食品の種類だけでなく、一日に何をどれだけ食べるべきかが一目瞭然です。食生活で免疫力を上げたい方は、こういった情報をチェックしてみましょう。

※参考:農林水産省.「食事バランスガイド」.https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/,(参照 2024-08-09).

(2)献立に善玉菌を含む食品を取り入れる

ビフィズス菌や乳酸菌に代表される善玉菌は、腸内細菌の一種です。善玉菌には悪玉菌の増殖抑制、病原菌の感染予防など、免疫機能向上に欠かせない役割があります。

毎日の献立の中に、善玉菌を含む食品や、善玉菌の餌になる食品を取り入れてみましょう。

善玉菌を含む食品 発酵食品 納豆、ヨーグルト、キムチなど
善玉菌の餌になる食品 食物繊維 野菜、海藻、きのこ

ただし、発酵食品には食塩が多く含まれるものもあります。塩分のとり過ぎには要注意です。

(3)免疫力を高める食品を食べる

たんぱく質やビタミンを含む食品を食べることは、免疫力の向上につながります。主菜・副菜・主食を基本とした献立は、主菜にたんぱく質、副菜や付け合わせにビタミンを取り入れやすくなります。

栄養素 食材の例 理由
たんぱく質 肉、魚、卵、大豆、乳製品 免疫細胞の材料になる
ビタミンA 緑黄色野菜など 抗酸化作用が免疫機能の低下を防ぐ
ビタミンC ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、いも類など
ビタミンE カボチャ、キウイフルーツ、アボカド、ナッツ、食用油など

ビタミンAとビタミンEは油に溶けやすく、炒め物など油を使った調理をすると吸収率が上がります。また、ビタミンCは水に溶けやすいので、汁まで食べられるスープや煮込み料理がおすすめです。

2. 笑って免疫力を高めよう

笑いにも免疫力を高める力があります。楽しいときの大笑いはもちろん、クスッと小さく笑うだけでも大丈夫です。思いついたらすぐ実行できます。生活の中で笑う機会をどんどん増やしましょう。

具体的には、笑いが持っている次の働きが免疫力を高めるといわれています。

  • セロトニンなど気分を良くするホルモンが分泌される(免疫の大敵であるストレスが軽減される)
  • ナチュラルキラー細胞という強い免疫細胞が活性化する
  • 自律神経が整う(交感神経と副交感神経のバランスが良くなる)

また、脳は本物の笑いと作り笑いの区別がつきません。笑う要素がないときは、作り笑いをするだけでも効果があります。免疫力を高めるためには笑うことをおすすめします。

免疫寛容の優れた仕組み

免疫寛容と免疫は正反対の働きをしますが、どちらも体を守るためのシステムです。非自己に対して攻撃と寛容が共存しているからこそ、人間は、病原体から身を守ったり、食物を食べたりできます。

本項では免疫寛容について詳しく見ていきます。

1. 免疫寛容の特徴と働き

免疫寛容は、前述した通り、体に必要な非自己を攻撃せず受け入れる仕組みです。そして同時に、自己と非自己を区別できない免疫細胞を制御するという役割も担っています。

免疫寛容がうまく働かないと、体に無害な非自己を排除しようとするアレルギーや、免疫が自分自身の細胞を攻撃することによる自己免疫疾患などが生じます。

逆に免疫寛容が働き過ぎるのも問題です。有害な異物まで攻撃せず受け入れてしまうので、感染症やがんにかかりやすくなってしまいます。

2. 免疫寛容の種類

免疫寛容の種類は、大きく分けて2つです。どちらも免疫細胞のうちB細胞、T細胞の2種類をコントロールすることで、体を自己免疫疾患から守っています。

①中枢系免疫寛容 新しく作られたB細胞とT細胞が、自己と非自己を認識できるか確かめる→できない細胞を死滅させる
②末梢系免疫寛容 ①で見逃してしまったB細胞とT細胞をコントロールする

なお、B細胞とT細胞が異物を攻撃する仕組みには、次のような違いがあります。

  • B細胞 抗体という武器を作って異物を攻撃する
  • T細胞 異物を直接攻撃する

免疫vsがん細胞の争いと免疫治療

ここまで免疫寛容の解説をする中で、免疫は自己と非自己を認識するというワードが出てきました。免疫は体の外から入ってきた異物だけではなく、体の中で作られるがん細胞にも働き、攻撃と除去を繰り返しています。

しかし、がん細胞はもともと自己の細胞が変異したものです。はたして免疫は、どのように正常な細胞とがん細胞を見分けているのでしょうか。

本項では、免疫ががん細胞を見つけ出し、攻撃・除去するがん免疫サイクルについて解説します。

1. がん免疫サイクルの仕組み

がん免疫サイクルは、体内でできたがん細胞を7つのステップで攻撃・除去するサイクルです。ここで登場する免疫細胞は、樹状細胞と、前述したT細胞です。

  • 樹状細胞 異物の目印(抗原)の情報を他の免疫細胞に伝える
  • T細胞 体内の異物を直接攻撃する
がん免疫サイクルのステップ
①死んだがん細胞から目印(がん抗原)が出る
②樹状細胞:その目印を覚える
③樹状細胞がT細胞に目印の情報を伝える
④T細胞:活性化してがん組織に向かう
⑤T細胞:がんがある組織に入り込む(浸潤)
⑥T細胞:がん細胞を見つけて攻撃する
⑦T細胞の攻撃で死んだがん細胞がさらに目印を出す→①へ戻る

2. がん細胞の免疫逃避とは

がん細胞免疫サイクルは、人間の体に備わった、がん細胞の増殖を抑える仕組みです。しかし、実際にはがん細胞も免疫サイクルから逃れようと、さまざまな対策を講じて抵抗します。がん細胞の免疫逃避と呼ばれる現象です。

がん免疫サイクルのステップ がん細胞の免疫逃避
①死んだがん細胞から目印(がん抗原)が出る  
②樹状細胞:その目印を覚える 樹状細胞の働きを弱める
③樹状細胞がT細胞に目印の情報を伝える T細胞を弱める・T細胞数を低下させる
④T細胞:活性化してがん組織に向かう T細胞をがん組織に到達させない
⑤T細胞:がんがある組織に入り込む(浸潤)  
⑥T細胞:がん細胞を見つけて攻撃する 免疫細胞の働きを抑制する
⑦T細胞の攻撃で死んだがん細胞がさらに目印を出す→①へ戻る 目印(がん抗原)を消失・発現低下させる

3. 複合的がん免疫治療とは

近年、手術や抗がん剤とは違った観点からがんを治療する複合的がん免疫治療が注目されています。

複合的がん免疫治療は、免疫の力を引き出すことでがんを治療する方法です。免疫治療にはさまざまな種類があります。大別すると次の2つに分かれています。

  • がん細胞に免疫逃避をさせない治療法(ブレーキ解除の役割)
  • 免疫細胞の働きを高める治療法(アクセルの役割)

複合的がん免疫治療は、ブレーキやアクセルを組み合わせることで、がん免疫サイクルの力を引き出すでしょう。

免疫サイクルと免疫逃避について詳しくはこちら

免疫治療の個別化なら患者さん一人ひとりに寄りそえる

人間はそれぞれ顔が違うように、体質や病気のタイプも異なります。個別化がん免疫治療とは、がんに対して全員に同じ処置をするのではなく、患者さん一人ひとりにカスタマイズした治療を行うことです。

患者さんの体質やがんのタイプはそれぞれに違うため、同じ薬を使った治療では、効きやすい方と効きにくい方に分かれがちです。しかし、個別化がん免疫治療は、さまざまな免疫治療の中から、患者さんの体質やがんの特徴に合うものをピックアップし、患者さんごとに寄り添った治療が可能です。

がん免疫細胞治療の専門医療機関『瀬田クリニック東京』では、徹底した個別化医療を追及しています。そのため、患者さんお一人おひとりのがん細胞の特徴に適した免疫細胞治療の選択・提供が実現しています。ご自身に合った免疫細胞治療をお探しの方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

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