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メラノーマ(悪性黒色腫)とは? 
症状や治療方法を詳しく解説

投稿日:2024年6月20日

更新日:2024年6月20日

皮膚がんの一種であるメラノーマは、メラノサイトという細胞が悪性化して発生する腫瘍です。病気の進行が早く、身体のさまざまな部位へ転移する可能性もあるため、注意しなければなりません。

メラノーマにはいくつかの種類があり、種類ごとに特徴が異なります。また検査方法も複数あり、適切な検査を受け早期に対応するためには医師への相談が重要です。

この記事では、メラノーマの特徴や種類、適切な治療方法を紹介します。メラノーマができてしまった方は、ぜひ参考にしてください。

メラノーマとはメラノサイトという
細胞が悪性化した腫瘍

メラノーマは皮膚がんの一種で、悪性黒色腫とも呼ばれます。良性のほくろのようにも見えますが、ほくろとはまったく異なる悪性のがんであるため、見つけたときは速やかに病院を受診しなければなりません。

メラノーマの大きな特徴は進行が早いこと

メラノーマの大きな特徴は、病気の進行が早いことです。早い段階で他の部分へ転移したり、治療をしても再発したりすることがあります。時間が経過するごとに全身の状態が悪化していく可能性があるため、身体の異変を発見したら、早めに病院を受診しましょう。

メラノーマの主な症状は腫瘤や色素斑

メラノーマの症状としては、皮膚の表面にできる腫瘤やシミ(色素斑)が挙げられます。腫瘤とは、身体にできる固まりやこぶのことです。

メラノーマによる腫瘤や色素斑は褐色や黒色であるのが一般的で、少しずつ大きくなることが特徴です。ほくろに似ていますが、ほくろとは異なる以下のような特徴があります。

  • ●左右非対称な形状になっている
  • ●境界がギザギザの形をしている
  • ●大きさが6mm以上あり、一般的なほくろよりも大きい
  • ●色むらがある

以前は何もなかった部分にシミが出てきた、腫瘤が次第に大きくなってきた、という場合はメラノーマである可能性があります。診断の際は上記のような特徴を総合的に見て判断されます。気になる場合は、早めに専門家に相談してみるのがおすすめです。

メラノーマは顔・腕・足の裏などの部位に発生する

メラノーマは身体のさまざまな場所に発生する可能性があるがんです。顔や腕、胸などはもちろん、爪や足の裏にできるケースもあります。さらに粘膜や眼球に発生する場合もあります。具体的には食道や直腸などの消化管粘膜や鼻腔などの頭頸部粘膜、尿道や膣などの尿路生殖器、眼瞼結膜などの眼部です。

日本でメラノーマと診断されるのは1年間で約1,800例

日本において、2019年にメラノーマと診断されたのは約1,800例でした(※)。同じ2019年に皮膚がんと診断された数が約2万5,000例であり、そのうち約7%がメラノーマと診断されていることが分かります。日本では10万人あたり1~2人の頻度で発症するとされており、発生頻度が低い希少がんとして扱われています(※)。

※参考:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」. 全国がん登録.https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html#a14,(参照 2024-05-22).

※参考:国立がん研究センター希少がんセンター.「悪性黒色腫(メラノーマ)」."悪性黒色腫について"https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/2021/index.html,(参照 2024 -05-22).

メラノーマ(悪性黒色腫)は
5種類に分けられる

メラノーマは、形や見た目の特徴、顕微鏡で観察した様子から、悪性黒子型、表在拡大型、結節型、末端黒子型の4つに大きく分類されます。また上記以外で粘膜に発生するものを粘膜型として分類するケースもあります。それぞれの種類の特徴について詳しく見ていきましょう。

1. 悪性黒子型

悪性黒子型のメラノーマは、主に高齢者の顔に発生しやすいタイプです。平らで不規則な形状のシミが発生し、時間を掛けて少しずつ広がっていきます。シミの中央部分が大きく膨らんでいくこともあります。

2. 表在拡大型

表在拡大型のメラノーマは、身体中のさまざまな部分に発生し、比較的ゆっくり成長します。高齢者だけではなく、幅広い年齢で発生するため注意しましょう。

表在拡大型の大きな特徴は、平らに広がっており、少し凹凸のある形状をしていることです。境界部分ははっきりとしておらず、色は濃淡が混ざっています。

3. 結節型

結節型のメラノーマも、全身のさまざまな部位にできます。黒色や濃淡の混じった塊(結節)ができることが大きな特徴です。40〜50歳代で発生することが多く、結節は少しずつ大きくなっていきます。

4. 末端黒子型

末端黒子型のメラノーマは、名前の通り、主に足の裏や手のひら、手足の爪などの末端部に発生します。末端部に急にシミができたときは、メラノーマを疑ってみましょう。

色は褐色や黒褐色をしており、はっきりとした形をしていません。時間がたつと、潰瘍やしこりができます。手足の爪に発生したときは、縦長の黒い線のように見え、少しずつ爪全体に広がります。

5. 粘膜型

身体の粘膜部分にできるメラノーマが粘膜型です。食道や直腸、鼻腔、口腔、尿道、膣、肛門など、あらゆる粘膜に発生する可能性があるため注意が必要です。症状が出てから診断されることが一般的であり、診断のタイミングではすでに病気が進行してしまっているケースもあります。

メラノーマ(悪性黒色腫)が疑われる際の検査方法

メラノーマが疑われるときは、皮膚の状態を調べる「ダーモスコピー検査」や、皮膚の一部を採取する「生検」などが行われます。正確な診断につなげるためにも、医師と相談しながら適切な検査を受けましょう。各検査の詳細は以下の通りです。

1. 皮膚の状態を詳しく観察する「ダーモスコピー検査」

ダーモスコピー検査とは、拡大鏡を使用して皮膚の状態を細かく調べる検査です。ダーモスコープと呼ばれるライトが付いた特殊な拡大鏡を使い、メラノーマが疑われる部位を拡大して診察します。

目で診察するよりも正確に状態を把握できることが、ダーモスコピー検査の大きなメリットです。悪性と判断された場合は、状況に応じて治療の段階に進みます。

2. より正確な診断のための「生検」

悪性のメラノーマかどうか、より正確な診断を行うために生検を実施することもあります。生検とは、メラノーマが疑われる部分の皮膚の一部を採り、顕微鏡などを使って調べることです。

内視鏡検査や手術の際に組織を採る、細い針を使って組織を採るなどの方法があり、生検組織診断とも呼ばれています。生検を実施することで、本当にメラノーマかどうか、進行度や悪性度はどの程度か、といったことを診断することが可能です。

3. 他の部位への転移状況を把握するための「センチネルリンパ節生検」

センチネルリンパ節に転移していないことが分かれば、他のリンパ節へ転移している可能性は低いと判断できます。逆に転移が発見された場合は、状況に応じてリンパ節の摘出を検討したり、さまざまな抗体や阻害薬による治療を進めたりします。

メラノーマ(悪性黒色腫)の
ステージ分類

メラノーマは、がん組織の厚さや潰瘍の状況、周囲の皮膚やリンパ節への転移状況、内臓への転移状況などによって、ステージが分けられます。具体的にはⅠからⅣの4つに分けられており、数字が大きいほど進行した状態を示します。各ステージの状況は以下の通りです。

ステージⅠ

ステージⅠは、がんの厚さが2mm以下で、他の部位に転移していない状態のことです。がんの厚さが0.8mm未満で潰瘍がない場合はステージⅠA、それ以外の場合はステージⅠBと細かく分類できます。

ステージⅡ

ステージⅡは、他の部位への転移はないものの、腫瘍が大きくなった状態のことです。ステージⅡは、以下のように3つの段階に分けられます。

ステージⅡA 腫瘍の厚さが1~2mm、潰瘍がある
腫瘍の厚さが2~4mm、潰瘍はない
ステージⅡB 腫瘍の厚さが2~4mm、潰瘍があり
腫瘍の厚さが4mm以上、潰瘍はない
ステージⅡC 腫瘍の厚さが4mm以上、潰瘍がある

ステージⅢ

ステージⅢは、リンパ節や周囲の皮膚への転移がある状態のことです。がんの厚さや潰瘍の有無は関係ありません。

ステージⅣ

ステージⅣは、メラノーマが内臓や粘膜などへ転移している状態のことです。ステージⅢと同様、がんの厚さや潰瘍の有無は関係ありません。

メラノーマ(悪性黒色腫)に対する
5つの治療方法

メラノーマの治療方法は、進行状況や転移の有無によって異なります。診察を受けた上で、医師と相談しながら適切な治療を進めましょう。

1. 手術によって病変部分を切除する

ステージⅠAのように腫瘍が小さく、他の部位への転移がない場合は、手術による治療が検討されます。状況によって異なりますが、病変部分の境界から0.5〜2.0cm程度、切除するのが一般的です。

ステージⅠBのように、腫瘤の厚さが0.8mm以上になっている場合は、手術による治療のみを行うケースと、センチネルリンパ生検によって転移の有無まで調べるケースがあります。

2. リンパ節郭清によって周辺のリンパ節も切除する

リンパ節郭清とは、病変だけではなく、周辺のリンパ節も一緒に切除することです。センチネルリンパ生検を行い、転移陽性であることが判明した場合は、病気の状況や患者さんの希望に合わせてリンパ節郭清を実施します。

3. 免疫療法により全身に広がったがんを治療する

免疫療法とは、病気を治す自己治癒力を応用した治療方法です。もともと身体には、体外から侵入したウイルスなどの異物や、体内で発生したがん細胞などを排除しようとする機能が備わっています。このような免疫機能を利用して、メラノーマを治療する方法が免疫療法です。

免疫療法の特徴としては、全身に広がったがんにも適用できることや、効果が一定期間持続しやすいことが挙げられます。医師と相談しながら適用すると良いでしょう。「瀬田クリニック東京」でも免疫療法を実施していますので、お気軽にご相談ください。

免疫細胞治療について詳しくはこちら

4. 放射線治療により脳や骨に転移したがんを治療する

メラノーマが脳や骨に転移している場合は、放射線治療が検討されます。脳や骨に転移したメラノーマに対する放射線治療には、脳転移によって発生する頭痛や骨転移によって発生する痛みなどの局所的な症状を制御して、緩和する目的があります。放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬を併用するケースもあります。

5. メラノーマの再発や転移を防ぐ

メラノーマの治療を受けた後は、再発や転移に備えることが重要です。たとえ小さなメラノーマであっても、他の部位に転移する可能性はあります。メラノーマは他のがんと比較して進行が早いため、対応が遅れると転移が広がってしまうケースもあります。気になることは医師と相談しながら、早めの対応を心掛けましょう。

メラノーマの特徴を知って適切な治療を受けよう!

今回はメラノーマの特徴やステージ、治療方法などを解説しました。メラノーマは顔や足の裏、粘膜など、さまざまな部位に発生します。進行が早く身体中に転移する可能性もあるため、早めに治療を受けることが大切です。

「瀬田クリニック東京」では、遺伝子解析に基づく個別化がん免疫療法を行っています。個別化医療とは、患者さんごとの体質や病気の状況に合わせて、適切な治療方法を選ぶことです。当院では患者さんの免疫機能や病気の特性を診断した上で、適切な治療を行うので、ぜひご相談ください。

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