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免疫療法(免疫細胞治療)の治療効果・成績

ここでは、当院で免疫療法(免疫細胞治療)をお受けになった患者さんの治療効果・成績についてまとめています。当院では患者さん・ご家族にご納得の上で治療をお受けいただくため、長年の治療データを分析し、客観的なデータとして公開しています。

  • 治療効果・成績について

    ここで紹介している治療効果のデータは、当院または連携医療機関で免疫細胞治療を1クール(6回)以上行った患者さん5,460名のうち、肺、胃、大腸、肝、膵、乳、子宮、卵巣の原発がん患者さんの1,198症例についてまとめたものです(調査期間は10年間)。

    上記からは、およそ半数の患者さんで、がんが縮小、あるいは一定期間がんの進行を抑えられたことが読み取れます(※)。

    ※病勢コントロール率:54.0% = 完全奏効1.4%、部分奏効11.9%、長期安定12.1%、安定28.6%

    なお、がんが画像上消失した場合は「完全奏効」、がんの直径が30%以上縮小した場合は「部分奏効」、がんが縮小しても30%に至らないものや大きさに変化がなかった場合は、その持続期間が6か月以上のものを「長期安定」、6か月未満を「安定」、そして進行を止められなかった場合を「進行」としています(この中には、治療により進行の早さが穏やかになった例も含まれます)。これらは「RECISTガイドライン」と呼ばれ、国際的に使用される治療効果判定のためのガイドラインをベースに作成したものです。

    また、上記治療効果データの対象となった1,198名の患者さんの中には免疫細胞治療のみを受けている方と、化学療法など他の治療法を併用している方がいます。それぞれの結果について、以下の通りお示しします。

    • 免疫細胞治療のみを受診した場合:病勢コントロール率53.4%、有効率21.7%、奏効率5.9%
    • 他の治療と併用した場合:病勢コントロール率57.4%、有効率27.4%、奏効率17.0%

    最近では、疾患毎の調査結果を論文で発表しています。
    免疫細胞治療を6回実施し、治療前後で評価できた患者さんにおいて、以下のことを報告しています。

    がん全般
    Takimoto R, et al., Cytotherapy. 2023 Jul 22:S1465-3249(23)00984-2.

    • 2015年10月から2022年9 月末までの登録症例は3839名、年齢中央値は64歳(範囲13~97歳)で、2,005名(52.2%)が64歳以上、1,834名(47.8%)が64歳未満。男性は1,846名(48.1%)、女性は1,993名(51.9%)、男女比は1:1.08(1,846:1,993)。PS0が2552名(66.5%)、PS1は781名(20.3%)、大多数の患者のPSは、初診時は0または1であり(86.8%)、3234名(84.2%)が進行または再発例であった。
    • 免疫細胞治療を受けた大多数の患者は進行・再発例(3234名、84.2%)、一方、484名の患者(12.6%)は再発防止目的であった。また、507名(21.3%)は併用療法なし、873名(36.7%)は化学療法と併用で免疫細胞治療が実施されていた。
    • 2015年10月~2022年9月30日までの7年間で、合計31,890回の免疫細胞治療が実施され、このうち960名(3.0%)に有害事象が報告された。治療毎の有害事象では、アルファ・ベータT細胞療法は3,470名の患者に19,661回実施され、有害事象は363件(1.8%)、ガンマ・デルタT細胞療法は175名の患者に845回実施され、9件(1.1%)、NK細胞療法は164名の患者に626回実施され、10件(1.6%)、樹状細胞ワクチン療法は1,416名の患者に10,748回実施され、578件(5.4%)発生した。有害事象の内容では、注射部位反応(449件)が最も多く、樹状細胞ワクチン療法では94.2%を占めている。発熱(228件)および倦怠感(141件)は、アルファ・ベータT細胞療法に関連する有害事象として報告されており、掻痒症(131件)も樹状細胞ワクチン療法に関連する局所症状として報告されている。入院が必要となった有害事象(発熱、間質性肺炎、腹痛)は3例報告されているが、いずれも原疾患(がん)あるいは併用治療によるものと考えられている。
    固形がん
    Takimoto R, et al., Anticancer Res. 2022 Aug;42(8):4179-4187.

    • 1999年から2015年までに術後補助療法として免疫細胞治療を1コース以上受けた固形がん症例141例(肺癌26例、胃癌21例、膵癌17例、大腸癌36例、乳癌41例)を対象に検討した。免疫細胞治療を開始してからの固形がん全症例の全生存期間を解析したところ、3年、5年、10年生存率はそれぞれ86.6%、80.9%、74.5%、一方、無病生存率は3年、5年、10年生存率でそれぞれ72.8%、70.5%、58.5%であった。
    • 各癌種における全生存期間、無病再発期間は全がん協(https://ganjoho.Jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_reg_surv.html)で報告されている生存率と比較し、同等もしくは免疫細胞治療を受けている患者さんの方が良好な結果であった。
    脳腫瘍
    Kanemura Y, et al., Anticancer Res. 2017 Jul;37(7):3921-3932.

    • 悪性脳腫瘍患者23人(テモゾロミド治療あり14人(TMZ群)とテモゾロミド治療なし9人(非TMZ群))にアルファ・ベータT細胞療法を実施した。アルファ・ベータT細胞療法において重篤な有害事象は報告されていない。
    • TMZ群では3名が部分寛解(PR)、7名が安定(SD)で病勢コントロール率は71.4%でした。また、アルファ・ベータT細胞療法5回の投与で総リンパ球数が有意に改善した。5名の膠芽腫の生存期間中央値は21.4ヶ月であった。
    • アルファ・ベータT細胞免疫療法は忍容性が高く、T細胞免疫状態の障害や不均衡、TMZおよび放射線療法によるリンパ球減少症の回復に役立つ可能性がある。
    胃がん
    Miura M, et al., Cancer Med. 2020 Jul;9(14):4907-4917.

    • アルファ・ベータT細胞療法6回終了した胃癌患者30人の治療前後の末梢血単核球を分析したところ、治療後にプロファイルが大きく変化した。CD4+ヘルパーT細胞の頻度は減少したが、CD8+キラーT細胞の頻度は増加した。PD-1+Tregの頻度が増加した患者は、減少した患者よりも予後が有意に良好であった。
    Takimoto R, et al., Anticancer Res. 2017Jul;37(7):3947-3954.

    • ステージIVの進行胃がんと診断された患者242人を対象として、検討した。化学療法、手術、放射線療法などの標準療法と併用、または併用せずに免疫細胞治療を受けた。
    • 免疫細胞治療により進行胃がん患者の生存期間中央値は21.5ヵ月に延長した。前治療として手術を受けた患者は予後が良好であった。免疫細胞治療を併用し、病勢安定(SD)または部分奏効(PR)の患者は、進行(PD)の患者よりも予後が良好であった。免疫細胞治療において重篤な有害事象は報告されていない。
    膵臓がん
    Kumai T, et al., Cytotherapy. 2021 Feb;23(2):137-145.

    • 切除不能進行膵癌患者77人をアルファ・ベータT細胞療法単独または化学療法や化学放射線療法との併用で6回の治療を行った。アルファ・ベータT細胞療法により生存期間中央値が18.7ヵ月であり、化学療法単独で治療した患者の6.2~11.1ヵ月に比較して延長した。
    • 免疫細胞治療は末梢血中のCD3+CD4+CD8-T細胞頻度を減少させ、CD3+CD4-CD8+T細胞頻度を増加させた。
    Makita K, et al., Anticancer Res. 2018 Jul;38 (7) 4353-4360.

    • 全身状態が良く(PS:0・1)早期に治療を開始した患者において、抗がん剤や放射線治療などの他の治療と免疫細胞治療を併用することで、有意に予後が良好であった。
    • 免疫細胞治療では、アルファ・ベータ T 細胞療法と樹状細胞ワクチンを併用することで、他の免疫細胞治療を受けた症例よりも有意に予後が良好な結果が得られた。
    Hirooka Y, et al., Oncotarget. 2017 Dec 5;9(2):2838-2847.

    • 局所進行膵癌患者15人を対象に、ゾレドロン酸パルス樹状細胞(Zol-DC)の腫瘍内局注、ゲムシタビン(GEM)およびアルファ・ベータT細胞細胞療法を行った。15例中7例に病勢安定(SD)が認められ、ほとんどの症例に長期の臨床効果が認められた。15例の全生存期間中央値は12.0ヵ月、無増悪生存期間中央値は5.5ヵ月であった。
    • 治療前の好中球/リンパ球比(NLR)が5.0未満の患者は有意に生存期間が長かった。
    大腸がん
    Yu Okazawa, et al., Oncology Letters. 2024 F January 15, 2024 101.

    • 根治手術が予定されている局所進行(cT3/T4またはcN+)の直腸がん(腺がん)患者6人(男性5名、女性1名)に対し、術前化学療法+免疫細胞療法(mFOLFOX6+αβT細胞)を6コース、終了後に手術を実施し、術前化学療法+免疫細胞療法の安全性と有効性を調査した。
    • mFOLFOX6による有害事象としてグレード3の好中球減少症が1人の患者に認められた。
    • 奏効率は67%、ステージの改善(Downstaging)は5人の患者で確認された(83%)。組織学的効果に関しては2例がグレード1a、4例がグレード2であった。
    • 免疫学的反応(腫瘍内浸潤リンパ球:TIL分析)に関しては、CD4+およびCD8+ T細胞浸潤率は共に3人の患者で治療後に増加した。末梢血分析では、全患者で総リンパ球数は維持され、CD8+ T細胞数は2人の患者で治療前の3倍以上に増加したが、TILの変化とは関連していない可能性がある。
    • 術後追跡期間中央値24ヵ月の間に、1人の患者に肝転移と肺転移が生じたが、全例が生存していた。
    • 術前化学療法+免疫細胞療法(mFOLFOX6+αβT細胞)は進行直腸がんの治療として安全に施行でき、免疫細胞療法の有効性、特に再発予防のための抗腫瘍免疫誘導の検証は今後も継続される。
    Yamada T, et al., Anticancer Res. 2020 Aug;40(8):4763-4771.

    • 転移性大腸癌患者32例を対象に、一次化学療法であるベバシズマブにアルファ・ベータT細胞療法を併用したところ、奏効率は68.8%、病勢コントロール率は87.5%であった。さらに、無増悪生存期間中央値は14.2ヵ月、全生存期間中央値は35.3ヵ月であった。
    • 免疫細胞治療において重篤な有害事象は報告されていない。
    • 転移性の大腸癌における一次治療として、アルファ・ベータT細胞療法を用いた化学免疫療法が有用かもしれない。
    Takimoto R, et al., Anticancer Res. 2019 Aug;39(8):4525-4532.

    • 1次化学療法を併用した進行大腸癌患者198人を対象に、単変量解析および多変量解析により、全生存期間と種々の臨床的因子との相関を検討した。単変量解析により、PS 0、ベバシズマブ、カペシタビン含有レジメン(Cap)を併用した免疫細胞治療を受けた進行大腸癌患者で予後が改善することが明らかになった。また、多変量解析により、PS=0、免疫細胞治療とCapの併用が進行大腸癌患者の生存に有益であることが示された。
    Shuchun Li, et al., Transl Cancer Res. 2019 Apr;8(2):693-698.

    • ステージIVの大腸癌患者で腹腔鏡下下部前方切除術と左肝転移癌切除術を受け、切除不能な肝転移に対しカペシタビンを使用したところ、一時的に低下したがその後、CEAが著明に上昇した。免疫細胞治療(αβT、NK)を施行後、CEAは14.7から6.1ng/mLに低下し、4回の細胞治療で1.9ng/mLとなり、正常範囲(<5ng/mL)に戻った。19ヶ月の経過観察で再燃は認めていない。
    • 免疫細胞治療において重篤な有害事象は報告されていない。
    Yoshida Y, et al., Anticancer Res. 2017 Jul;37(7):3941-3946.

    • IV期の大腸癌患者6人を対象として、COMVI試験(21日間の治療サイクルごとに、XELOX療法、ベバシズマブ、アルファ・ベータT細胞療法)を行ったところ、全奏効率は83.3%であった[完全奏効2例(33.3%)、部分奏効3例(50.0%)、病勢安定1例(16.7%)、進行例なし]。
    • 無増悪生存期間中央値は567日、全生存期間中央値は966日であった。ほとんどの有害事象は軽度から中等度であり、グレード4の有害事象は発生しなかった。1例においてグレード3の高血圧とイレウスを経験した。免疫療法に関連した毒性はほとんどなかった。
    Ishii F, et al., Anticancer Res. 2017 Jul;37(7):3933-3939.

    • 一次化学免疫療法としてカペシタビンおよびオキサリプラチン(XELOX)+ベバシズマブ+アルファ・ベータT細胞療法を実施後に肝切除術を受けた患者5例を解析した。手術は2例が肝部分切除術、2例が腹腔鏡下肝部分切除術、1例が亜区域切除を伴う肝部分切除術であった。Clavien-Dindoグレード3A以上の術後合併症はなく、安全に施行された。
    Yoshida Y, et al., Anticancer Res. 2016 Jul;36(7):3741-3746.

    • 進行または再発ステージIVの大腸癌患者15例に、化学免疫療法の第一選択としてXELOX+ベバシズマブ+アルファ・ベータT細胞療法を施行したところ、無増悪生存期間中央値は21.3ヵ月であった。奏効率は80%(完全奏効(CR)=26.7%、部分奏効(PR)=53.3%、安定(SD)=20%、進行(PD)=0%)であった。・有害事象のほとんどは軽度から中等度であり、免疫療法に伴う毒性はほとんどなかった。
    乳がん
    Takimoto R, et al., Anticancer Res. 2021 Aug;41(8):4133-4141.

    • 127例の進行、再発乳癌患者を解析した。免疫細胞治療開始時にPSが良好、肝、胸膜転移がない、抗がん剤治療歴がない、手術を併用できた症例で予後良好であった。免疫細胞治療と他の治療の併用により、進行・再発乳癌の生存期間の改善が得られる可能性がある。
    食道がん
    Takimoto R, et al., J Med Case Rep. 2021 Apr 8;15(1):191.

    • 低容量のニボルマブと免疫細胞治療の併用が2例の進行食道癌において有効であった。
    • ICIとアルファ・ベータT細胞併用療法前後のリンパ球プロファイルを検討したところ、αβT細胞、γδT細胞、CD8陽性T細胞などのT細胞がいずれの症例でも増加した。・免疫チェックポイント阻害薬(ICI)とアルファ・ベータT細胞療法との併用は進行食道癌の治療戦略となるかもしれない。
    Nanami T, et al., Esophagus 2017 Oct 14:4:303-308.

    • 再発食道扁平上皮癌患者5名にアルファ・ベータT細胞療法を行い、治療効果をCD4/CD8比、血清腫瘍マーカー、CTスキャンで評価した。
    • 5例中3例はプロトコールに従って6コースの細胞治療を完了し、治療の有用性が観察された。残りの2例は治療を中断した。全ての症例で免疫細胞治療に関連した副作用はなかった。
    子宮頸部
    (神経内分泌がん)
    Goto S, et al., Anticancer Res. 2020 Aug;40(8):4741-4748.

    • 調査対象となった17名のうち、診断時に既に根治切除出来ないステージ4あるいは手術でがんを切除できたものの再発した進行・再発症例は12であり、その12例の生存期間中央値は、がん診断時を起点に算出すると49.7ヶ月、免疫細胞治療開始時を起点に算出すると24.4ヶ月だった。また、免疫細胞治療開始時からの全生存期間は、1年生存率が63.6%、5年生存率が25.5%であった。
    • 肝転移や脳転移など遠隔転移をきたした2名は、手術、放射線治療、化学療法と免疫細胞治療によって、それぞれ101ヶ月および55ヶ月の間、再発もなく生存している。免疫細胞治療開始時に再発がなかった初期ステージ(Ib期およびIIb期)の2名は、それぞれ51.2ヶ月および87.3ヶ月の間、再発なく生存している。
    子宮
    (子宮体がん、
    子宮頚がん)
    Takimoto R, et al., Anticancer Res. 2020 Aug;40(8):4729-4740.

    • 免疫細胞治療を受けた187例の進行・再発子宮体癌を解析した。
    • 単変量解析の結果、化学療法の前治療歴がない症例や肝転移が認められない症例で予後が良好であった。
    • 多変量解析では肝転移がない症例や肺転移がない症例において予後が良好であった。
    胆管がん
    Kida A, et al., Int J Cancer. 2023 Sep 7.

    • 18例の切除不能または再発胆道癌患者に、アルファ・ベータT細胞療法単独または化学療法とのアルファ・ベータT細胞療法の併用治療を行い、フローサイトメトリーでプロファイルを評価した。
    • 肝内胆管癌(iCCA)は14例、遠位胆管癌(dCCA)は4例であった。1コースの治療後、9例のiCCAと4例のdCCAが進行(PD)であったが、5例のiCCAは安定(SD)であった。全生存期間(OS)中央値は21.9ヵ月と延長した。
    • iCCAにおけるヘルパーT細胞が70.3%から65.5%に減少し、キラーT細胞は27.0%から30.6%に増加した。iCCAではCD3+T細胞とαβT細胞が増加し、OSが延長した。PD群におけるiCCAのCD3+T細胞とαβT細胞は、それぞれ63.5%から53%、61.6%から52.2%に減少した。SD群では、ヘルパーT細胞が65.8%から56.9%に減少し、キラーT細胞は30.1%から38.3%に増加した。
    (注)

    • 有効性評価は、RECISTガイドライン(国際的に使用される治療効果判定のためのガイドライン)に準じ、画像評価による腫瘍縮小効果をもとに行い、以下の基準を満たす画像での病変の比較が可能であった1,198例を対象に治療効果調査を実施しました。
      (1)治療前の画像:治療開始の60日前から2回目投与開始前までに撮影したもの
      (2)治療後の画像:5回目投与以降で6回目投与後30日以内に撮影したもの
      (3)上記の画像が保管されている、あるいは保管がなくとも明確な記録、または主治医からの報告書があるもの
    • 1999年4月から2009年3月に、当院または連携医療機関に来院し、免疫細胞治療を6回(1クール)以上受けた5,460例の中で、原発臓器が肺、胃、大腸、肝、膵、乳、子宮、卵巣の症例について示しています。
    • 上記治療効果調査の対象となった1,198名の患者さんのうち、(1)完全奏効(17名)、(2)部分奏効(143名)、(3)長期安定(145名)と判定された合計305名の症例を有効(有効率25.5%)と判断しています。
    • 百分率は小数点以下第2位を四捨五入して算出しています。四捨五入の関係で、百分率の合計が100%にならない場合があります。
    • なお、治療成績データは論文『Egawa K. Immuno-cell therapy of cancer in Japan. Anticancer Res. 2004 24(5C):3321-6.』を参照。その後の症例の追加に伴い更新しています。

  • 手術後の再発予防効果について

    免疫細胞治療は、手術で取り残したり、術前の検査で発見できず再発の原因となってしまう微小ながんに対しても全身的に作用するため、再発予防には特に適しています。
    手術後の再発予防治療として一般には化学療法が用いられますが、免疫機能の低下など副作用の問題が生じる場合もあります。免疫細胞治療は、副作用の心配をほとんどせずに、再発予防効果を期待できます。実際、千葉県がんセンターや国立がんセンター等の研究により、手術後に免疫細胞治療を行うことで再発が減少し、生存率が高まったという結果が、海外の権威ある学術誌に報告( Gastroenterology(2015)、Cancer Immunol Immunother(2014)、Lancet(2000)、Cancer(1997))されています。(※)

    (※)
    ・『Gastroenterology』
    Lee JH, Lee JH, Lim YS, Yeon JE, Song TJ, Yu SJ, Gwak GY, Kim KM, Kim YJ, Lee JW,Yoon JH. Adjuvant Immunotherapy With Autologous Cytokine-Induced Killer Cells for Hepatocellular Carcinoma Gastroenterology;148:1383–1391, 2015
    ・『Cancer Immunol Immunother』
    Kimura H, Matsui Y, Ishikawa A, Nakajima T, Yoshino M, Sakairi Y.Randomized controlled phase III trial of adjuvant
    chemo-immunotherapy with activated killer T cells and dendritic cells in patients with resected primary lung cancer. Cancer Immunol Immunother. Epub 2014 Sep 28.
    ・『Lancet』
    Takayama T, Sekine T, Makuuchi M, Yamasaki S, Kosuge T, Yamamoto J, Shimada K, Sakamoto M, Hirohashi S, Ohashi Y,
    Kakizoe T., Adoptive immunotherapy to lower postsurgical recurrence rates of hepatocellular carcinoma: a randomised
    trial., Lancet. 356(9232):802-7, 2000.
    ・『Cancer』
    Kimura H, Yamaguchi Y., A phase III randomized study of interleukin-2 lymphokine-activated killer cell immunotherapy combined with chemotherapy or radiotherapy after curative or noncurative resection of primary lung carcinoma. Cancer.
    80(1):42-9, 1997

  • 治療効果の考え方について

    ここでは、数値化しやすく長年のデータ蓄積がある評価指標として「がんの縮小」を用いていますが、免疫細胞治療はがんの縮小のみを目指す治療ではありません。

    免疫細胞治療は、がんを短期的に縮小させる効果では他の標準治療に劣りますが、完全治癒が望めない進行がんの方であっても、体力の低下をできるだけ抑えながら、高いQOL(生活の質)を保った生活を続けていただくことも可能な治療です。
    本項の治療成績で示している「長期安定」は、そういった免疫細胞治療の治療効果を示すものと考え、「完全奏効」と「部分奏効」に加えて「長期安定」例も治療の有効例と判定しています。

    長期安定と判定された方の中には、がんの大きさそのものにはほとんど変化が見られないにもかかわらず、何ら不都合なく生活している患者さんが大勢いらっしゃいます。

    また、医学界においても、がんの縮小・消失だけを効果判定の基準とするのではなく、むしろQOL(生活の質)を重視し、できるだけ客観的にがんの治療効果をとらえようとする動きが出てきています。
    当院でも免疫機能検査を導入し、免疫機能を数値化し治療前後で比較することで、免疫細胞治療の治療効果を客観的に判定しようとする動きを進めています。

当院では症例や治療法の紹介を行う
セミナーを定期的に開催しています

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