口内炎対策
看護師ブログ⑬

みなさま、こんにちは。
季節の変わり目で体調を崩されていませんか?
暖かくなったり、寒くなったり、今年は寒暖差が激しいですね。
さて、先日ある患者さんが診察で「抗がん剤の副作用で口内炎ができて辛い」と相談をされ、後藤院長から「口内炎の対策には口腔ケアが大切」とアドバイスをしました。
抗がん剤や放射線の治療では、副作用で口内炎ができることがあり、これが悪化すると痛みで食事が摂れなくなる・・・という事態が起こります。
みなさまは口内炎などの口腔内トラブルにお悩みではありませんか?
本日は、口内炎対策についてお伝えしていきます!
がん治療で起こる口内炎の原因やメカニズムを解説
そもそもなぜ抗がん剤や放射線の副作用で口内炎ができるのでしょうか。
抗がん剤の中には、シスプラチン、5-FU、TS-1といった口内炎の副作用が出やすい薬剤があります。これらの薬剤は口腔粘膜や唾液腺に影響を及ぼし、唾液が出にくくなり、口腔内が乾燥し、口腔粘膜の炎症(=口内炎)をもたらします。
また、抗がん剤治療により白血球数が低下している時期には、免疫力が低下し、口腔内の細菌が悪さをして、口腔粘膜に炎症を起こすこともあります。
一方、放射線治療は抗がん剤と違い、全身に作用する治療ではありません。そのため、口腔内に放射線が当たった場合に口内炎ができやすくなります。放射線が口腔内に当たることで、口腔粘膜や唾液腺がダメージを受け、口腔内の乾燥、口腔粘膜の炎症が発生するのです。
どのような状態から口内炎になりやすい?口内炎になる症状を説明
みなさまは、抗がん剤や放射線の治療中に「口の中がネバネバする」「頬の裏や舌が赤くなっている」といった症状はありませんか?
もし、そういった症状があれば口腔内が乾燥している可能性が高く、口内炎の発生に注意が必要です。
唾液の分泌が低下し口腔内が乾燥すると、普段では特に問題のない歯と粘膜の間に摩擦が起こり、口内炎を引き起こすきっかけになってしまいます。
また、乾燥している口腔内には舌苔(舌にできる白い苔状の付着物)ができやすく、味覚異常や飲み込みにくさを感じる原因になります。
口腔内の乾燥だけでは痛みを感じることはありませんが、乾燥状態を放置し、口内炎が発生すると痛みが引き起こされ、食事摂取や薬を飲むことが苦痛になってしまうのです。
口内炎予防のために心掛けたいこと
では、口内炎の発生を防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか?
口内炎対策ポイント①:保湿
まず大切なことは、口腔内の保湿をすることです。
先ほどもお伝えしたとおり、口腔内が乾燥状態にあると、ちょっとした刺激で傷がつき、口内炎が発生しやすくなります。乾燥状態を放置せず、うがいや保湿剤で口腔内が潤った状態になるようケアしましょう。
最近は、液体タイプやジェルタイプの口腔保湿剤が市販されているので、ご自身の使いやすいものを選択して、日々の歯磨きにプラスしてみてください。
口内炎対策ポイント②:観察
口内炎の発生を防ぐためには、口腔内の観察をすることも重要です。
口内炎は頬裏の粘膜や舌の縁に発生しやすいため、その部位が赤くなっていないか観察しましょう。もし、赤くなっていれば、痛みが出る前の早期の段階で保湿ケアを取り入れてください。
また、口腔内を観察するときには、舌苔の付着がないかも見てみましょう。いくら保湿ケアを取り入れても、舌苔が付着していると保湿剤が浸透せず、ケアが不十分になってしまいます。舌苔の付着がある場合には、まず湿ったガーゼなどで舌苔をふやかし、柔らかくしてから舌ブラシなどで除去しましょう。その後に保湿剤を使用すると効果的です。
口内炎対策ポイント③:口腔粘膜を傷つけない
乾燥した口腔粘膜は、歯の尖った部分や義歯の不具合などで簡単に傷がつき、そこから口内炎が発生、悪化してしまう恐れがあります。そのため、尖って口腔内を傷つけそうな歯や義歯は削って調整したり、マウスピースのような歯を覆うカバーを使用したりと、あらかじめ対策しておくと良いでしょう。
口内炎対策ポイント④:痛みへのケア
しっかりケアをしていても口内炎ができてしまい、痛みで食事がとれない、薬が飲み込みにくいなどの苦痛が発生することがあります。痛みが辛い場合には、適切な痛み止めや治療薬を処方してもらいましょう。また、麻酔薬を含んだうがい薬の使用や、痛みのある口内炎に局所麻酔薬を塗ることで、痛みが和らぎ、食事や内服の苦痛が緩和されたケースもあります。
口腔ケアをしっかり行い口内炎を予防していきましょう
最近では、免疫チェックポイント阻害薬の有害事象としても口腔粘膜に炎症が発生すると言われています。がんの治療には、どうしても口内炎のリスクがあるものです。しかし、後藤院長も言っていたように口腔ケアをしっかりと行うことで口内炎は防ぐことができます!できてからでは痛みで苦痛が生じるため、早い段階からケアをして、口内炎の発生を防いでいきましょう。
口内炎や口腔ケアでお悩みの方、より詳しいケアの方法を聞きたいという方、ぜひ当院で医師や看護師にご相談ください。患者さん個々の状態で必要なケアは変わってきます。一緒にケア方法を考えていきましょう!


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