よくあるご質問をご紹介します⑧-3『ノーベル賞で話題になったがんの免疫療法と、がん免疫細胞治療は同じ治療ですか?』
瀬田クリニック東京 コンシェルジュスタッフブログ
みなさんこんにちは。
いつも瀬田クリニック通信をご覧いただきありがとうございます。
本日はよくあるご質問シリーズ⑧の3回目をお届けしたいと思います。
前回の『よくあるご質問をご紹介します⑧-2』ではがんを発病してしまったときに、患者さんの体の中で起こっていることについてご説明しました。最終回の今回は、免疫細胞治療と免疫チェックポイント阻害薬の作用についてお話します。
がん細胞が自分の身を護るために、T細胞を無力化してしまうことがあります。T細胞ががん細胞を攻撃しようと近づいたとき、がん細胞があるシグナルをT細胞に向けて発信すると、T細胞は攻撃をやめてしまうのです。この部分に作用するのが、免疫チェックポイント阻害薬です。
がん細胞は、T細胞の表面にあるPD-1という分子と結合して、攻撃ストップのシグナルをだしますが、オプジーボやキイトルーダといった薬は、この結合を取り払って、T細胞を働かなくさせる負のシグナルが伝わらないようにします。
免疫細胞治療と免疫チェックポイント阻害薬は、どちらもがんを攻撃する免疫の仕組みを利用する「がん免疫療法」ですが、ここまで見てきたように同じ免疫療法といっても作用の場所が違います。どちらも治療によって、樹状細胞から指令を受けたT細胞にがん細胞を殺傷させるという目的と結果は同じですが、その方法が違うわけです。それぞれ対象とすべき患者さんや治療効果なども異なる、違う治療です。
今回の『よくあるご質問をご紹介します⑧』は3回に渡ってご紹介しました。この質問のさらに詳しい解説は、パンフレットに同封されている『がん免疫療法Q&A』に掲載されています。
また、瀬田クリニック東京ではオンラインでの治療説明会(参加費無料)も毎月実施しています。免疫細胞治療についてわからないことがありましたら、医師に直接ご質問いただくことも可能です。
それでは、また次回のクリニック通信でお会いしましょう!
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