よくあるご質問をご紹介します⑧-2『ノーベル賞で話題になったがんの免疫療法と、がん免疫細胞治療は同じ治療ですか?』
瀬田クリニック東京 コンシェルジュスタッフブログ
みなさんこんにちは。
いつも瀬田クリニック通信をご覧いただきありがとうございます。
本日は、前回に引き続きよくあるご質問シリーズ⑧-2をお届けしたいと思います。
前回の『よくあるご質問をご紹介します⑧-1』では、免疫の仕組みや働きが上手く機能すればがんという病気にはならない、ということをご説明しました。今回は、逆にがんを発病してしまった時に、患者さんの体の中で何か起こっているのかをお話しします。
がんを発病してしまったということは、免疫の働きのどこかにほころび(問題)が生じているということです。今わかっている、がん患者さんの体内で起こっている問題の一つは、T細胞の数が減って、力がなくなってしまっていることです。そこで、このリンパ球を体外で増やして活性化し、体に戻すことで力を補おうとするのが免疫細胞治療の中のアルファ・ベータT細胞療法です。
2つめの問題に、樹状細胞が、がんの目印をT細胞にきちんと教えて攻撃指令できていないというケースがあります。ここに問題があると、T細胞はがん細胞を上手く見つけられません。その場合、樹状細胞ワクチン療法という治療でこの免疫機能を修復することが出来ます。樹状細胞ワクチン療法も、免疫細胞治療のうちの1種です。
問題の3つめは、がん細胞が自分の身を護るために、T細胞を無力化してしまうことがあるということです。T細胞が、がん細胞を攻撃しようと近づいたとき、がん細胞があるシグナルをT細胞に向けて発信すると、T細胞は攻撃をやめてしまうのです。この部分に作用するのが、ノーベル賞で話題になった免疫療法のひとつ、免疫チェックポイント阻害薬です。
今回はここまでになります。次回は、免疫チェックポイント阻害薬と免疫細胞治療についてお話します。それでは、また次回のクリニック通信でお会いしましょう!
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