よくあるご質問をご紹介します⑧-1『ノーベル賞で話題になったがんの免疫療法と、がん免疫細胞治療は同じ治療ですか?』
瀬田クリニック東京 コンシェルジュスタッフブログ
みなさんこんにちは。
いつも瀬田クリニック通信をご覧いただきありがとうございます。
本日はよくあるご質問シリーズ⑧-1をお届けしたいと思います。
「免疫チェックポイント阻害薬(PD-1抗体薬)」は、2018年10月のノーベル賞によって大きく話題となり、多くの患者さんから「免疫細胞治療も同じ治療ですか?」といったご質問を寄せられるようになりました。結論から言えば違う治療と言えますが、ここでそのことを3回に分けて解説したいと思います。1回目の今回は、免疫の働きについてです。
私たちの体の中には生まれながらに免疫というシステムが備わっており、この免疫の働きが、さまざまな病原から体を守ってくれています。がんの免疫療法は、こうした免疫の仕組みを上手く活かしてがんを治療できないかという発想から生まれた治療法です。
人間の体の中で行われている、がん細胞を排除しようとする免疫の働きは、ある意味シンプルです。登場するのは、悪者のがん細胞、悪者をやっつける樹状細胞とT細胞(Tリンパ球)の3つの細胞です。がん細胞は正常な細胞にない「がん抗原」という目印を持っていて、T細胞がその目印で見分けてがん細胞を攻撃します。樹状細胞は、T細胞にがんの目印を教えて、攻撃を指令する役割を担っています。このシンプルな仕組みが上手く機能していれば、私たちはがんという病気にならずに済みます。
今回はここまでになります。次回は、この免疫の働きが崩れてがんになってしまったときに、患者さんの体内ではどのようなことが起こっているのかをご説明いたします。
それでは、また次回のクリニック通信でお会いしましょう!
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