ご予約・お問合せ 平日10:00~17:00
お電話03-5280-0086

>資料請求はこちら

>アクセスマップ

メニュー

×閉じる

「痛み」について
臨床心理士コラム⑤ / 臨床心理士・公認心理師 姜英愛

2022年7月4日

こんにちは。臨床心理士・公認心理師の姜英愛(カンヨンエ)です。
今回は、「痛み」について考えてみたいと思います。

「痛み」について

皆様は体験として、「痛み」のせいでストレスを感じたことがあると思います。
「痛み」によってストレスを感じるのは反応として正常なことですから、言い方を変えれば「痛み」があることでストレスを感じるのは、ごく自然なことだとも言えます。

また「痛み」が慢性的であると、「痛み」そのものだけでなく、痛いことで日常生活が以前のようにできないことがあるので、それがストレスになることが明らかになっています。「痛み」そのものに加えて、日常が変わってしまったことからくるストレスが慢性化するとなれば、当事者の気持ちが沈みがちになってしまっても不思議ではありません。

このことは、がん患者様だけでなく、どんな人にも平等に起こりうる心身の状態と言えるのであって、性格の問題や気の持ちようの問題でもありません。それでも、前回のコラム「がん患者様の悩み」の中でも述べたように、がん患者様にとって「身体の苦痛」と「こころの苦悩」は主な相談内容として挙げられていて、決して無視できない問題だと言えます。

このような興味深い報告があります。
身体的不調の訴えで受診された患者様に対して、精神的健康についての検査を行った結果、75%の方が精神的不調があるにもかかわらず、ご自分では身体的不調のみを訴えたという内容です。つまり、体が辛い状況の人は、自身の心の辛さについてはなかなか目が向きづらいのではないかということです。

一方で、これまでの多くの臨床報告から、体の痛みと精神的不調は併存することが多く、お互いに影響しあっていることが明らかになっています。つまりどちらかが改善することでもう片方の改善に役立つことになるということとなります。

がん患者さんの中には、「痛み」の改善にご苦労されている方も多いでしょう。「身体の痛み」については適切な服薬や投薬で調整しつつ、一方では「心の痛み」もケアすることでご自身の「痛み」全体を和らげることが可能であることが、多くの研究で報告されています。

患者様お一人お一人の在り方に沿った「痛み」との付き合い方があります。当院にご受診の際にはカウンセリングでご相談ください。

参考文献
Bair MJ, Robinson RL, Katon W, Kroenke K. Depression and pain comorbidity. Arch Intern Med 163:2433-2445, 2003

セミナー
Q&A冊子

◆臨床心理士コラムバックナンバー
臨床心理士コラム① 臨床心理士によるメンタルヘルスケア
臨床心理士コラム②『選択するということ』について
臨床心理士コラム③『ストレスへの対処』について
臨床心理士コラム④『がん患者さんの悩み』
臨床心理士カウンセリングのご案内

このページの先頭へ

 
このページの先頭へ

×閉じる

オンラインがん免疫細胞治療説明会【参加無料】
×閉じる
オンラインがん免疫細胞治療説明会【参加無料】