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免疫細胞治療とオプジーボ® #③
院長ブログ

2022年3月8日

免疫細胞治療とオプジーボ

前回、極少量のオプジーボ®と免疫細胞治療の併用の臨床研究では重症な副作用はみられなかったことを報告しました。その1,その2は下記をご覧下さい。
―免疫細胞治療とオプジーボ® #1―
―免疫細胞治療とオプジーボ® #2―
しかし、副作用がないと言っても、効果もなければ意味がありません。

有効例のうち、昨年、少量(15~40mg)のオプジーボ®と免疫細胞治療での併用を行った食道がんの2例を論文で報告しました。
https://jmedicalcasereports.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13256-020-02634-z
最近は自動翻訳でもかなり正確に英文を読めますので、英文が苦手でも、興味のある方は翻訳してお読みになって下さい。
専門用語も多く、難しいかもしれません。2例のうちの、1例を日本語で紹介することにいたします。

免疫細胞治療とオプジーボ

食道がんで当初は遠隔転移がなかったため、化学療法、放射線療法で寛解した方です。しかし、肺転移を生じ、化学療法(ドセタキセル)を2018/05から2018/09まで受けましたが、効果がありませんでした。当時は食道がんにはオプジーボ®などは承認されておらず、標準治療は尽きた段階で瀬田クリニック東京に紹介されてきました。肺転移だけではなく、脳転移もきたしましたが、脳転移はサイバーナイフで抑えることができました。免疫細胞治療(アルファ・ベータT細胞療法+樹状細胞ワクチン)を2018/10に開始、2019/01には肺の転移は縮小を示しましたが、その後、2019/09のCTでは再び増大傾向あり、2019/09から40mgのオプジーボ®の治療を行いました。その結果、急速に肺のがんは縮小し、CTではほぼ見えなくなりました。その後は、2020/04ですべての治療は終了としました。それ以降、2022/02まで化学療法、オプジーボ®、免疫細胞治療など、いっさいの治療を受けておりませんが、がんは見えなくなったまま、自覚的な症状はいっさいなく、まったく元気で過ごされています。

このような極少量のオプジーボ®と免疫細胞治療の併用での著効例ですが、極少量のオプジーボ®のみでも同様の効果があったのか、免疫細胞治療単独の効果によるのか、あるいは極少量のオプジーボ®と免疫細胞治療を併用したことで著効したのかの区別はできません。次回は、その点に関するヒントを与える症例を紹介したいと思います。
免疫細胞治療と免疫チェックポイント阻害剤については今後も引き続き、情報発信を続けて行きたいと思います。

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