なぜ、がんは再発するのか?
瀬田クリニック東京 コンシェルジュスタッフブログ
みなさま、こんにちは。
本日は、『なぜ、がんは再発するのか?』についてお届けしたいと思います。
がんの再発とは? 再発のメカニズムを解説
『なぜ、がんは再発するのか?』と言うと、手術などで、目に見えるがんはすべて切除した場合でも、じつは目に見えない(検査でも発見できなかった)小さながんが、まだ体内のどこかに残っている場合があります。それは、手術で取った部位の周辺かもしれませんし、がんは血液に乗って離れた場所に転移する可能性もあります。リンパの流れに乗って転移するかもしれません。
もし、そんなことが起きていても、残ったがん、転移した小さいがんは小さければみつけることはできません。大きさが1㎜に満たなければ、CTで検査しても見つからないのです。
たとえば、I期の早期がんを手術で取っても、大きさ0.5mmといった小さながんが脳に遠隔転移している場合もあります。その場合、そのまま放っておくとその0.5mmのがんは次第に大きくなり、何年かしてから、痙攣を起こして検査してみたら、脳への転移が大きくなったのが原因だったというようなこともあります。これが再発です。
がん再発の予防と再発した場合の治療について
本項では、がんの再発予防法を4つ紹介します。主治医とよく相談した上で、実践できる方法を検討してみましょう。
がんの再発予防
一般的に、がんは術後5年を過ぎると、再発率が低くなるとされています。がんの再発に対する予防策には、以下のものがあります。
- ●術後の定期検査と術後補助療法
- ●免疫療法
- ●食事療法
- ●運動療法
術後の定期検査と術後補助療法
病院では再発を予防するため、患者さんの病状や体調に合わせて定期検査と術後補助療法を行います。がんの再発予防のため、医師の指示に従って受けましょう。
- ●定期検査:
がんの再発を早期発見するために行う検査 - ●術後補助療法:
がんの再発や転移の可能性を減らすための治療
また術後補助療法は、全身療法と局所療法に分かれています。
- ●全身療法:
全身に対する治療。主に薬物療法 - ●局所療法:
がんができた部位とその周辺に対する治療。主に手術・放射線療法
免疫療法
免疫は元々体に備わっている、体内の異物を取り除き、体を病気から守る仕組みです。人間の体の中では、毎日3,000個近い異常な細胞が生まれるとされており、免疫はこの異常な細胞を退治しています。
免疫療法は、患者さんの免疫の仕組みを高める治療法です。血液から免疫細胞を取り出し、活性化した上で増殖させ、体内へ戻します。患者さん自身の細胞を使うため、副作用が少ないのが特徴です。
食事療法
がんの再発を予防するには、食事療法も効果的です。全身の栄養状態を改善することで体力や回復力、免疫力を高められます。
がんの再発予防と治療において、食事は重要なポイントです。毎日の生活に食事療法を取り入れ、体の内側からがんと戦える体質を作り上げましょう。
再発予防に効果のある食材と、リスクを高める食習慣を以下の表にまとめました。
効果のある食材 | リスクを高める食習慣 |
---|---|
野菜 果物 食物繊維が多い食品(穀類・芋類など) ポリフェノールが多い食品(野菜・果物・コーヒー・緑茶・ココアなど) カロテノイドが多い食品(緑黄色野菜・果物・えび・鮭・甘のりなど) 植物性油脂 豆類・大豆製品 |
塩分の取り過ぎ 豚肉・牛肉・羊肉など赤肉の食べ過ぎ ウィンナー・ハム・ベーコンなど加工肉の食べ過ぎ アルコールの過剰摂取 |
運動療法
実は、運動療法もがんの再発予防に効果的です。米国で発表された論文では「余暇時間の活動量が多い人は、少ない人に比べてがんの発症リスクが20%低い」とされています(※1)。
具体的には、週150分間(30分×週3回)の有酸素運動と筋力トレーニングが効果的といわれています(※2)。
ただし、適切な運動の種類や内容は、患者さん一人ひとり異なるものです。がんの種類と病状、体の状態によっては、運動が負担をかける場合もあります。運動療法を行う際は、担当医や理学療法士に相談しましょう。
がんが再発した場合の治療
がんが再発した場合の治療は、患者さんがご自身の体の状態を知ることから始まります。特に、治療の選択肢の中から納得できる方法を選ぶためには不可欠です。
再発した場合の治療法は、基本的にがんの標準治療である「薬物療法」「放射線治療」「手術」です。患者さんの心身の辛さを和らげたり、その人らしさを考慮したりするための「緩和ケア」も行われます。これらの治療法は状況に応じて、単独または組み合わせて行われます。
また免疫療法も有効な治療法です。免疫療法にはさまざまな種類があり、以下のように目的が分かれています。
- ●がん細胞を攻撃する免疫力を高めるもの
- ●がん細胞に特定した攻撃力を高めるもの
- ●攻撃の妨げとなる要因を排除するもの
免疫療法は全身に作用するため、再発や転移したがんにも効果を発揮します。さらに、副作用が少なく、現れた効果が長時間持続する特長もあります。
まとめ:再発したがん治療や予防には免疫療法をご提案
がんの再発は、治療後に目に見えない小さながんが体内に残っていることにより起こります。再発を予防するには、定期検査や術後補助療法などの方法があります。
再発の予防には、免疫細胞療法もおすすめです。免疫細胞療法は、患者さんご自身の免疫細胞を活性化・増殖させて体内に戻す治療法です。薬物療法とは異なり、体が元々持っている免疫の力を高めてがんを治療します。
瀬田クリニック東京は1999年から、患者さまのがん細胞の性質・特徴を遺伝子レベルで調べ、個別化医療として一人ひとりに合ったがん免疫細胞療法の治療を専門医療機関として行っています。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また次回クリニック通信でお会いしましょう!
※参考文献
自分の細胞で治す 女性が知っておきたい最先端がん治療(著:瀬田クリニック東京院長後藤重則、がん研有明病院元婦人科部長瀧澤憲)


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