明るい心、前向きな気持ちで
~膵臓がん患者さんの長期症例紹介~
院長ブログ
昨日は長期に治療を受けていただいている膵がんの患者さんが来院されました。
2015年9月が初診ですから既に6年以上が経過しています。診断時に既に肝転移があり手術はできない4b期でした。担当の先生の免疫細胞治療に対する深いご理解もあり、化学療法の開始当初から免疫細胞治療を開始しています。
アルファ・ベータT細胞療法を開始、その後、樹状細胞ワクチンも行い、現在も維持療法として時々、通院されています。化学療法も6年以上継続されています。現在は60%に減量したFOLFIRINOXを4週間間隔で受けていらっしゃいますので、通常量に換算すると30%程度になります。これだけの長期間にわたりFOLFIRINOXを受けている患者さんも稀ですが、副作用が最小に抑えられています。周囲の方々にはがんであることをcoming outしていらっしゃらないそうですから、きっとだれもがんどころか病気とは思っていないでしょう。
来院されると、ご病気の相談というよりは、何をして楽しんでいるかのお話しばかりで、昨日もご主人とお二人での旅行の帰り道にクリニックへ立ち寄って治療を受けていきました。
がんの治療の主目的は、がんを一時的に縮小させるなどではなく、長期の生存をはたすことです。つらい延命ではなく、質の良い生活を送ることが条件です。質の良い生活には、明るい心、前向きな気持ちもかならず必要です。医師としてそのお手伝いが少しでもできるように努力していきたいです。
前回、2020年8月に症例紹介を書かせていただいておりました。1年以上が経過しておりましたので、症例紹介のページも更新させていただきました。
よろしければご覧ください。
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