新型コロナウイルスワクチンとがん治療の本当の目的とは
院長ブログ
新型コロナウイルス感染者が激減し、第5波が収束しています。政府は緊急事態宣言を解除しました。
激減してきている理由は、ワクチン接種率の向上、人々の自粛、感染対策による効果、あるいはウイルスのゲノム変異を修復する酵素が変化してウイルスが死滅するようになったなど、様々な説が言われています。しかしながら、ワクチンが普及した欧米のいくつかの国やシンガポールでも感染者は現在、著増していますし、これまでの経過をみても自粛の程度と感染者数に十分な相関があるとはだれも思わないでしょう。ウイルスもいまだ、世界中でものすごい数が増殖し、変異もどんどん生じています。一部のウイルスには偶発的に修復酵素の変化が生じるとしても、いっせいにそのような変異が生じるはずもありません。修復酵素が変化して増殖できなくなったウイルスは自然淘汰されていなくなり、そうでないウイルスが台頭していくというのが自然な流れのはずです。
激減の理由が不明な限り、第6波がくるかどうかはだれにもわかりません。したがって、自粛解除は時期尚早だ、あるいはポストコロナの社会は以前のようにはならないと主張する方もいらっしゃいます。コロナ禍での社会生活は様々な制限を受けて、私はやはり、十分に人間らしく生きていないと思います。マスクをしていては顔も覚えられませんし、表情もわかりません。会話は控えめにして、人と人の距離を空けていては、ふれ合い、スキンシップもありません。若い方々は恋愛する機会も失って出生率は益々、減少するでしょう。
ワクチンや行動制限、自粛などを行う真の目的は、人々が持つ本来の自然な人間らしい以前の社会生活を取り戻すためです。感染者がある程度、減らないとそれはできないかもしれませんが、感染者の減少は真の目的を達成するために通る1つの過程です。感染者数の増減ばかりが報道されていますが、本来は人々の社会生活がどうよくなったか、以前の状態に戻ったかが重要で、それを問題とすべきではないでしょうか。
がん治療においても真の目的は、その患者さん本来の質の良い自分らしい生活を長期に送っていくことです。がん治療においても、がんを小さくしようとすることばかりを治療の目的としていることがあります。がんが縮小あるいは大きくならず、進行させないことは、真の目的を達成するためにある程度必要ですが、治療のために本来の生活が送れなくては本末転倒だと思います。患者さんの中には治療のことだけを考え、治療を受けることが生活のすべてになってしまっているような方もいらっしゃいます。あくまでも治療は良い生活を送るための1つの手段であり、目的は質の良い生活を送っていくことではないでしょうか。
【参考】
下のグラフは2020年の2月以降の日本での感染者数、死亡者数を示しています。2020年に比べて2021年は感染者数、死亡者数が激増しているのがわかります。2022年はどうなるか、とても心配ですね。
なお、グラフで興味深いのは、第5波に限らず、第1から第5波までどの波もほぼきれいな線対称を描いていることです。自粛などの人為的なことによって収束させているのではなく、やはり、第1から5波のパンデミック毎に免疫が形成され、自然に収束しているのはないでしょうか。第6波はかならず来ると思いますが、かならず収束します。ワクチンの普及により死亡者は少ないでしょう。
◆院長ブログバックナンバー
-アブラキサンの供給停止
-ご家族で受ける免疫細胞治療
-新型コロナウイルス感染と免疫不全
◆併せて読みたい関連記事
-新型コロナウイルスワクチンとは?