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医療の略語シリーズ③『PS』ってなに??
瀬田クリニック東京 コンシェルジュスタッフブログ

投稿日:2021年3月22日

更新日:2024年7月30日

医療の現場では、「PSはどのくらい?」「PSは大丈夫?」といった言葉を耳にすることがあります。そこで今回は医療用語の略語である「PS」について分かりやすく解説するとともに、「PS」に関するよくある質問についてもお答えします。

医療略語「PS」の意味とは

「PS」とは「Performance Status(パフォーマンス・ステータス)」の略で、患者さんの全身状態を日常生活動作のレベルに応じて0~4の5段階で表した指標です。

アメリカの腫瘍学団体の一つECOG(Eastern Cooperative Oncology Group)が提唱したもので、がん患者さんに使われることが多い指標となります。

なお、それぞれのステータスにおける全身状態は次のとおりです。

スコア 患者さんの状態
0 まったく問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。
1 肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。例:軽い家事、事務作業
2 歩行可能で、自分の身のまわりのことは全て可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3 限られた自分の身のまわりのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。
4 まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす。

国立がん研究センター「がん情報サービス」ホームページの用語集参照

医療略語「PS」に関するよくある質問

ここからは医療略語である「PS」に関するよくある質問についてお答えします。

PSの評価基準は?

「PS」の評価基準は、患者さんが日常生活をどの程度できるかという基準によって決められます。

PSには先にご紹介した「ECOG PS」以外にも、次のような評価基準も存在します(※)。

【KPS(Karnofsky Performance Status)】
状態 スコア 詳細な状態
●正常な活動ができる
●特別な看護を必要としない
100 疾患に対して患者さんの訴えがない。臨床症状がない
90 臨床症状はややあるものの、正常に活動が可能
80 臨床症状はかなりあるが、努力すれば正常の活動が可能
●労働はできない
●自宅で生活を営むことができる
●看護はほぼ個人的な要求によるもの
●さまざまな程度の介助が必要
70 自分自身の身のまわりのことはできるが、正常の活動や労働はできない
60 自分に必要なことはできるが、ときどき介助が必要
50 病状を考慮した看護や定期的な医療行為が必要
●自分の身のまわりのことができない
●施設や病院の看護と同等の看護を必要とする
●疾患が急速に進んでいる可能性がある
40 動けない。適切な医療や看護が必要
30 全く動けず、入院が必要なものの死は差し迫っていない
20 非常に重症で入院かつ精力的な治療が必要
10 死期が迫っている
0 死亡
【WHO PS(World Health Organization Performance Status)】
スコア 状態
0 問題なく活動できる。発病前と同様の日常生活が制限なく送れる
1 肉体的に激しい活動は制限されるものの、歩行ができ、軽作業や家事や事務など、座っての作業は行える
2 歩行ができ、身のまわりのことは全てできるが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごせる
3 身のまわりの限られたことしかできず、日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
4 全く動けず、身のまわりのことも全くできない。完全に椅子かベッドで過ごす
5 死亡

※参考:厚生労働省.「最適使用推進ガイドライン」P6.https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001254193.pdf,(参照 2024-06-14).

※参考:National Center for Biotechnology Information.「Appendix 6 Karnofsky performance status and WHO performance status scores」.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK97482/,(参照 2024-06-14).

PSの評価はどのように行われる?

PSの評価は、看護師などによる目視の確認の他に、例えば「ご自宅ではお手洗いやお風呂、着替えなどをお手伝いすることなくできますか?」といったように、具体的な声掛けを行います。

中段階のスコアにいる患者さんに対しては、状態が日々変化することから、評価が難しい部分もあります。また患者さんが「自分でできます」など、本来の身体状況とは違う答えをする場合もあるでしょう。

そのためPSの評価は患者さんの気持ちにも配慮しながら、日常の具体的な場面を想像し、質問することが大切です。

PSの評価が治療計画に与える影響は?

PSの評価は、PS指標と治療方針を照らし合わせて方針を変更していく際に、非常に重要です。

例えば抗がん剤治療の場合、どのような状態の患者さんに対しても行ってよいわけではありません。なぜならがん細胞を攻撃すると同時に、正常な細胞も攻撃してしまうため、患者さんの状態が良くなければ、有害な事象が引き起こる可能性もあるためです。

したがって副作用のある化学療法などは、PSの良くない3以上の患者さんには行うことができない場合が多いでしょう。

適切な評価で患者さんごとに合わせた適切な治療を

PSの評価は、治療を進める上で非常に重要な役割を持ちます。患者さんが心理的な理由から「本当は難しいこと」を無理に「できる」と言ってしまうと、治療の効果が十分に得られなかったり、予想外の副作用が出てしまったりする可能性もあります。

患者さんごとに合わせた治療ができるよう、生活上で困っていることや、できないと感じたことは、どうぞご遠慮なくご相談ください。

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