免疫チェックポイント阻害剤併用治療やネオアンチゲン樹状細胞ワクチン療法について説明しました瀧本院長の治療説明会レポート
2月16日(土)、瀬田クリニック東京で治療説明会(無料)が開催されました。
今回はその様子についてレポートします。
最近、ニュースなどでも「免疫チェックポイント阻害剤」や「ネオアンチゲンを利用した樹状細胞ワクチン療法」など、免疫を活用した新しい治療についてさかんに報じられていますが、当院でもそうした技術を取り入れた新しい治療や研究を始めています。
今回の説明会は「がん免疫細胞治療説明会~当院における新たな取り組み~」と題し、その取り組みの最新状況を含め、院長の瀧本医師より当院の免疫細胞治療について説明させていただきました。
説明会は10:00からスタート。16名の患者さん・ご家族が集まり、説明会会場は満員となりました。
当院の特徴や、免疫細胞治療の有効性を示すエビデンスについて説明
瀧本院長からは、まずは瀬田クリニックグループの特徴として、
- ①経験…1999年の開院からの豊富な経験と実績から得られた治療のノウハウを生かした質の高い診療
- ②専門医…様々な分野のがん治療専門医を配置して、セカンドオピニオンも担当。標準治療も含めた総合的ながん治療を実践
- ③独自の検査と治療…がん細胞の免疫的な特徴、患者さん自身の免疫機能を測定する特殊検査が可能。また、独自の樹状細胞培養技術、ネオアンチゲンを用いた樹状細胞ワクチン療法やチェックポイント阻害剤との併用療法などを実践
- ④個別化…樹状細胞、アルファ・ベータT細胞、ガンマ・デルタT細胞、NK細胞を使った多種類の治療法を患者さんごとに選択し、最適の免疫細胞治療を提供
について説明しました。
さらに、当院が提供している複数の免疫細胞治療の種類について、各治療に用いる細胞の違いなどを踏まえてお話ししました。併せて、血液検査で体内の免疫状態を調べ、複数の免疫治療の中からどの治療が最適を判断するための検査である、瀬田クリニック東京独自の「免疫機能検査」についても解説しました。
このように、実際に利用した検査結果の具体例を提示して、細かく説明いたしました。
その後は、免疫細胞治療の有効性を示す、エビデンスレベル最上位の論文である「Efficacy of Tumor Vaccines and Cellular Immunotherapies in Non-Small-Cell Lung Cancer: A Systematic Review and Meta-Analysis」の解説のほか、実際に当院で治療を受けた患者さんの症例も取り上げました。
上記論文について詳しくはこちら:免疫細胞治療の治療効果に関するエビデンス(科学的根拠)について
実際に当院で治療を受けた患者さんの症例について詳しくはこちら:各種がんに対する免疫細胞治療の症例紹介
当院における新たな取り組み…「免疫チェックポイント阻害剤」「ネオアンチゲンを利用した樹状細胞ワクチン療法」
さらには、新しい取り組みとして実施している、免疫チェックポイント阻害剤と免疫細胞治療の併用に関する臨床研究についても解説。
このように、分かりやすく図解を用いて説明し、実際に免疫細胞治療と免疫チェックポイント阻害剤を併用して治療を受けられた患者さんの症例についても紹介しました。
また、当院のもう一つの新しい取り組みである「ネオアンチゲンを利用した樹状細胞ワクチン療法」についても取り上げました。
この治療ではまず、新しい細胞測定技術により患者さんのがん細胞の遺伝子情報をすべて調べ上げ、患者さんが固有に持つがん細胞の特徴「ネオアンチゲン」を特定します。ネオアンチゲンを調べて、攻撃すべきがん細胞を“丸裸”にすることで、より患者さんごとに個別化・最適化された治療を提供することが可能です。
『nature』という世界トップレベルの学術誌に、ネオアンチゲン特異的リンパ球と免疫チェックポイント阻害剤の併用により乳がんが完全に消失したと報告されたことを紹介し、説明会を締めくくりました。
講義終了後には、
「自分もネオアンチゲン樹状細胞療法を受けることは可能か?」
「標準治療と併用した際の免疫細胞治療の効果は?」
「1クールの治療終了後はどうなるのですか?」
など、ご参加いただいた患者さん・ご家族から具体的な質問を多数受け、瀧本院長からひとつひとつ丁寧に回答させていただきました。
今後も定期的に説明会を開催していきますので、皆様のご参加をお待ちしています。
説明会情報に関してはこちらをご覧ください:説明会のお知らせ