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ご挨拶

理事;理事長 後藤重則

理事長 後藤 重則当院は国内初の免疫細胞治療専門の医療施設です。1999年に世田谷区瀬田の地で瀬田クリニックとして開院し、現在は東京・新横浜・大阪・福岡の全国4箇所にてクリニックを展開しており、当院と同様の免疫細胞治療が受診できる連携医療機関も全国に存在しています。これまで、患者さん・ご家族や医療関係者の皆様のご支持を頂きながら、開院以来、23,000名を超える患者さんの治療に携わって参りました。

免疫細胞治療は、体外で培養・強化した患者さん自身の免疫細胞を用いることで、つらい副作用を伴わずに治療を実施できることが大きな特徴です。瀬田クリニックが創設された当時は、免疫細胞治療は主に大学病院等で高度先進医療として限定的に実施されていました。転移してしまったがん、あるいは再発の危険のあるがんには、手術、放射線などの局所だけを限定して治療する方法では効果が期待できず、全身的な治療法が行われますが、それには化学療法以外にはないという状況が続いていました。化学療法は副作用に苦しむことも少なくなく、有効性と副作用からかならずしも望まないという患者さんや、ご高齢であるため、合併症をお持ちのため化学療法は受けられないという患者さんもいらっしゃいます。また、化学療法だけでは効果の限界も大きいために、保険診療に限らず、少しでも効果が得られる可能性のある治療を受けたいという患者さんもいらっしゃいます。そのような患者さんの希望にお応えできるように、「がん患者さんを苦しめず、最後まであきらめずに行える治療を提供したい」という故・江川滉二東大名誉教授の想いから、広く患者さんに免疫細胞治療を提供できる医療施設として、瀬田クリニックが誕生しました。私も初心を忘れず、1999年の開院以来、今日まで免疫細胞治療の診療を続けて参りました。 続き

保険外診療となると批判的なご意見もあると思いますが、大切なことは十分な情報公開と患者さんへの真摯な説明と同意、さらには治療を受けたいという患者さんの権利の尊重と考えます。また、治療法の進歩、医療の質の向上を目指した医療者の努力も必要です。1999年の開院当初は数名の医師で診療を開始しましたが、その後、大学病院等との共同研究の推進によるエビデンス構築活動を精力的に行い、それを通じ、多くの先生方に現場の診療にもご参画いただけることになりました。瀬田クリニック東京では現在、非常勤医師だけでも15名以上の方々に実際の免疫細胞治療の診療に従事していただいております。いずれの先生もがん診療に関する高いスキルと専門性を有し、標準治療に従事しながら免疫細胞治療への理解も十分お持ちです。がんに苦しむ患者さんを救いたいという強い意志を持ち、免疫細胞治療に取り組んでくださっている先生方ばかりです。

免疫細胞治療とは、1980年代に創始されたLAK細胞(リンフォカインで活性化されたキラー細胞)からはじまり、1990年代から現在までにがん細胞への免疫応答に関わる各種の細胞を体外で加工する技術が確立しました。

すなわち、がん細胞を攻撃、殺傷する力を持った兵隊となる細胞としてアルファ・ベータT細胞、特殊なT細胞であるガンマ・デルタT細胞、あるいはナチュラルキラーと呼ばれるNK細胞などもあります。また、自身は攻撃力を持たないものの、免疫細胞が攻撃する際の攻撃目標となるがん細胞の″情報″を兵隊へ伝える、司令官のような細胞である樹状細胞も重要です。体内では様々な免疫細胞がそれぞれの役割を分担して、密接に関係しながらがんと闘っているのです。免疫細胞の種類だけ治療法も存在することになります。

このように、様々な免疫細胞の利用が可能となった今では、患者さん一人ひとりのがん細胞の特徴や病状に合わせてどの細胞を使うか、という個別化戦略を練ることが可能です。また、がん治療は総力戦です。免疫細胞治療も他の治療の代わりに行うということではなく、うまく標準的な治療法と組み合わせて行うことが得策です。組み合わせは闇雲に行うのではなく、最良の方法を考えるべきです。そこには、これまでの当院の膨大な経験と実績から得られたノウハウを活かすことができます。私たちは、こうした考え方のもと、徹底した個別化=「オーダーメードの治療」を方針として、各種の治療法から患者さんに最適と考えられる治療をご提案します。

1999年以降、現在までにこの免疫細胞治療を提供する医療機関が私どもの予測以上に増えてきております。この免疫細胞治療を受けたいという患者さんの希望にお応えするに十分な数の医療機関が揃ってきたと思います。大学病院等の多くの医療機関で先進医療や自由診療として免疫細胞治療が行われています。治療を行う医師が増えることは、治療の価値を大勢の医師達が認めてくれているということと思います。患者さんの役に立つと思うからこそ、医師は治療を行います。
 医療機関の数が増えることは誠に喜ばしいことではありますが、一方、あまりに多いと健全な普及と発展がなされているか、つまり安全、安心な方法で厳密な工程で細胞が加工され治療が提供されているか、十分に知識を持った医師が診療しているかなどをチェックする体制が必要となります。これに関しては、ある程度、法律での規制や学会での制度やガイドラインの制定が必要になってきます。
私どもは、免疫細胞治療の健全な普及・発展に向けて様々な活動を実施してまいりました。「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」など再生医療関連の法律が施行されるに至り、免疫細胞治療を含む再生細胞医療が規制されています。具体的には、厚生労働省が認定した認定再生医療等委員会により各医療機関が提供する治療を審査し、承認を受けた上で厚生労働省へ届け出が義務づけられるようになりました(免疫細胞治療など第三種再生医療等の場合)。また、治療数、副作用、治療の安全性と科学的妥当性の評価を定期報告することも義務づけられています。「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」は違反に対する罰則規定もあり、取り締まりも強化されています。実は、このような医師の診療の内容と裁量を強く制限する法律は他の医療分野ではまったくみられないことです。

このような規制の是非については議論があるところですが、今後の細胞治療の発展を考えた場合、私どもは大賛成の立場です。また、日本再生医療学会をはじめとする学会などから再生細胞治療に関するガイドラインも提出され、また、認定医制度も開始されました。このことは免疫細胞治療をはじめとした医療が従来の薬物療法とは区別されてひとつの医療の分野として確立してきたことを示すものです。

免疫細胞治療を取り巻く環境が新たなステージを迎えた今、患者さんにより良い治療をお受けいただけるよう、職員一同、全力を尽くしてまいります。

2017.8
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理事;経営・政策管掌 阿曽沼元博

代表 阿曽沼 元博当院は、国内初の免疫細胞治療専門医療施設として1999年3月に開設され、以来18年に亘り多くの連携医療機関や大学病院と協力して治療を続けて参りました。2006年11月には広域医療法人として医療法人社団 滉志会となり、法人格となって14年目を迎えております。

免疫細胞治療を実施するに当たり、患者さんご自身の血液から分離抽出した各種免疫細胞を活性化・培養することが必要となりますが、開設当初から安全管理を徹底した細胞培養施設(CPC:Cell Processing Center)で18万回を超える細胞培養を行い、その数だけ患者さんの治療を実施して参りました。その間、医療機関として当然のことではありますが安全管理及び品質管理を徹底し、21年間医療事故ゼロを続けており、このことが我々の誇りでもあります。

また、免疫細胞治療において特に重要な診療ガイドラインの策定は、当グループの医師団が中心となり多くの大学病院等の研究者と検討を重ね、そして細胞培養技術の開発や品質管理を徹底する為の信頼性保証に係る技術開発は、当グループ医師団と(株)メディネットの技術陣が共同開発体制を構築して行って参りました。当院及びメディネット社の双方が、創設者である故江川滉二東大名誉教授の志を体現すべく研鑽を重ねて参りました。 続き

なお、ご承知の様に現段階では、免疫細胞治療は保険診療ではなく保険外療養である自費診療となってしまいます。我々が実施している自費診療は、有効性のエビデンスがない、医薬品と同様の治験を実施しないのは問題であると長く言われて参りました。我々はそのご意見に真摯に向き合いながらも、従来の医薬品開発と同様のエビデンス生成プロセスとは違うアプローチが必要であるとの信念から、免疫細胞治療に相応しい有効性エビデンスを求める科学的視点や臨床研究の方法論を模索しながら臨床研究を進めて参りました。また、小さな医療機関であるがゆえに、残念ながら従来の医薬品と同等の治験費用を自ら用意できなかったことも事実であり、医療機関としての力不足・忸怩たる想いを感じております。

しかしながら、今般の「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」や「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の施行(2014年11月25日)によって、やっと再生医療分野(我々の実施している免疫細胞治療も含む)に相応しい臨床研究環境や治験促進環境が整ったと考えております。

低分子化合物等を均一の品質で不特定多数の患者さんの治療に使う、抗がん剤等の医薬品と違い、免疫細胞治療は自分の細胞を自分の治療にしか使わない(患者を特定した)医療です。細胞培養加工し治療に使う細胞の所有権はあくまでも患者さんご自身であり、採取した免疫細胞は患者さん個々人によって品質も相違しバラツキがあります。また出来上がった最終培養調整品(点滴剤や注射剤等)は患者さん個々人によって品質や規格も異なってしまいます。当然この最終培養調整品は決して他人の治療には使用するものではありません(流通しません)。従来の医薬品とは全く概念の違うものなのです。法律的には「帰属性の一身専属性を有する」ものであり、この概念・考え方は故江川先生が瀬田クリニック開設当初より主張してきたことであり、この考え方が、やっと多くの方々の共通認識となり、正式に法律上で認められたと考えております。

この法律の成立と時を同じくして、多くのアカデミアを中心に従来の医薬品のエビデンス生成・保険承認のプロセスとは違う再生医療等に相応しい方法論が検討されてきました。また、免疫療法特有の機序やがんに対する免疫監視機構に即した試験デザインのあり方も厚生労働省医薬品等審査迅速化事業費補助金「革新的医薬品・医療機器・再生医療製品実用化促進事業」で議論され、がん免疫療法の試験のあり方がまとめられました(*1)。

(*1)http://www.shikuken.jp/guidance/を参照ください。小職も検討メンバーの一員として参加させて頂き、今後のがん免疫療法における臨床試験のあり方に関し、多くの議論に参加させて頂きました。
なお、がん免疫療法には、「免疫チェックポイント阻害剤」「がんワクチン(抗原ペプチド療法)」という従来の医薬品の分野で扱う物と、「免疫細胞治療」という再生医療等分野で扱う技術や物とが混在しており、規制の法体系や保険承認プロセスもそれぞれに相違しています。

今般の法改正によって、免疫細胞治療を含む再生医療等分野が飛躍的に進展するであろうと期待しております。この時機を捉えて、我々は従来から行って参りました臨床研究を更に加速して規模を拡大すると共に、臨床研究中核病院やそれと同水準の大学病院等と共同で先進医療(保険外併用療法)獲得や医師主導治験・企業治験の推進及び支援を行って参りたいと考えております。今までの18年間で蓄積され、また今後も蓄積されていく患者さんの診療データを貴重な臨床情報と認識して、今後の臨床研究や診療ガイドラインの高度化に活かしていく体制(リアルワールドエビデンスの構築と活用の為の体制)強化も図って参ります。

なお、今般、当院が設置した共同研究講座(*2)「次世代細胞・免疫治療学講座」は臨床研究や治験の為の病床を有する事となり、従来は実施出来なかった、肝臓がんや膵臓癌などを対象にした血管内治療や超音波内視鏡ガイドでの抗原未感作樹状細胞を腫瘍局所投与(がん細胞へのピンポイント局注)等の新技術開発や、免疫チェックポイント阻害剤等と免疫細胞治療との複合免疫細胞治療等の臨床研究の実施・促進も可能となりました。今後免疫細胞治療で選択可能な治療技術の幅を大きく拡げることを積極的に目指していきたいと考えております。

創設者である故江川滉二先生の夢であった「免疫細胞治療を基盤とした、複合的免疫細胞治療の実現、そして何時でも・誰でも・何処でも治療を受けられ医療とする」為の不断の努力を継続的に実行して参ります。

(*2)共同研究講座とは、一般に言われている寄付講座とは全く違った講座体系です。共同研究講座は、研究資金提供体(当院)の研究者(研究業績を審査され大学常勤となります)と大学の教員が対等な立場で、お互いが責任を持って共通の課題について一定期間継続的に共同して研究を行います。また、創出された知的財産、研究成果は共有され、研究開発のスピードアップも図られ、治験(再生医療等のいわゆる早期承認対応等)からの保険収載や先進医療実施からの保険収載など、複数のトラックでの出口を見据えた研究を可能とします。

最後に、今後の当院の進むべき道を瀬田(SETA)に想いを込めて下記に記したいと思います!

Scientific thinking 科学的考察を徹底し
Efficacious method 効果的治療を追求し
Treatment for cancer がん治療を中心に
Advanced medical care 先端的医療を目指す

2017.8
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