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がんを怖いと感じる理由とは?がんに対する恐怖心や不安との向き合い方

投稿日:2024年12月20日

更新日:2024年12月20日

がんという病気を怖いと感じるのは、ごく自然な反応です。一方でがんと診断された後、前向きに治療を進めるためには、がんに対する感情と上手に向き合うことも必要となります。

本記事では、がんを怖いと感じる理由やがんに対する恐怖心、不安との向き合い方を紹介します。加えてがんの早期発見につながる定期検診の他、治療法などについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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がんが怖いと感じる人は9割強

2023年の内閣府の調査によると、がんに対して「怖い印象を持っている人」は、合計で9割ほどでした(※)。

がんは死に至る病気というイメージがある上、痛みが生じることもあり、怖いと感じる人が多いようです。ここでは、内閣府の「がん対策に関する世論調査」を元に、がんが怖いと感じる主な理由をまとめました。

1. 死に至る病気のイメージがある

内閣府の調査では、がんを怖いと感じる理由について、81.6%の人が「がんで死に至る場合があるから」と答えています(※)。

厚生労働省の「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、日本人の主な死因1位はがんです(※)。がんで亡くなる人が多いことから、がんに対して死に至る病気であるというイメージを持っている人は多いと考えられます。

※出典:内閣府.「「がん対策に関する世論調査」(令和5年7月調査)の概要 概略版」.“1 がんに対する印象について”.
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-gantaisaku/gairyaku.pdf,(参照 2023-11-05).

※参考:厚生労働省.「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」.“① 死因順位”.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai23/dl/kekka.pdf,(参照 2024-09-30).

2. がんそのものや治療で痛みが出る場合がある

がんそのものはもちろん、手術の痛みや抗がん剤治療、放射線治療の副作用など、治療で痛みを伴う場合があることも、がんに対して怖いと感じる理由です。

内閣府の調査では、「がんそのものや治療により、痛みなどの症状が出る場合があるから」と答えた人は62.6%いました(※)。

※出典:内閣府.「「がん対策に関する世論調査」(令和5年7月調査)の概要 概略版」.“ア がんを怖いと思う理由”.
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-gantaisaku/gairyaku.pdf,(参照 2023-11-05).

3. 治療や療養で周囲の人に負担をかける場合がある

同調査では、「がんの治療や療養には、家族や親しい友人などに負担をかける場合があるから」と答えた人は58.6%いました(※)。

がん治療は長期にわたる場合があり、治療費や看護、手続きなど周囲の人の負担が大きくなる可能性があります。そのため、迷惑をかけるのではないかと気になる人も多いと考えられます。

※出典:内閣府.「「がん対策に関する世論調査」の概要 (令和5年7月調査)概略版」.“ア がんを怖いと思う理由”.
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-gantaisaku/gairyaku.pdf,(参照 2023-11-05).

4. 治療費が高額になる場合がある

同調査では、「がんの治療費が高額になる場合があるから」と答えた人は57.7%いました(※)。

がん治療では検査や治療の回数が増えるほど、治療費が増える傾向です。またがん治療は発展過程にあり、保険適用外の治療法もあります。そのため、治療費への不安を感じる人が多くいると考えられます。

※出典:内閣府.「「がん対策に関する世論調査」の概要 (令和5年7月調査)概略版」.“ア がんを怖いと思う理由”.
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-gantaisaku/gairyaku.pdf,(参照 2023-11-05).

がんと診断された人の恐怖心や不安との向き合い方

がんと診断された人は、恐怖心や不安など、さまざまな思いが脳裏をよぎるかもしれません。中にはショックで頭が真っ白になる人もいるでしょう。

がんは早期に治療方針を決め、治療を始めることが大切です。病気と向き合い治療を行うために、がんの恐怖心や不安との向き合い方を紹介します。

1. 自分を責めない

1つ目は、自分を責めないことです。

がんと診断され、自分のせいでこれから周囲の人に負担をかけるのではないかと、自分を責める気持ちに襲われるかもしれません。

がんの要因には、喫煙や飲酒、不規則な食事、運動不足などの生活習慣や、ウイルス・細菌への感染が考えられるとされています。しかし、どんなに生活習慣などに気を付けていてもがんの発症を完全に防ぐことは困難です。がんになるのは誰のせいでもないので、自分を責めたり情けなく思ったりする必要はありません。

2. 病気を正しく知る

2つ目は、がんという病気を正しく知ることです。

がんに対する理解不足はもちろん、逆にインターネットなどで情報を集め過ぎてしまうことも、不安や恐怖心につながります。

がんという病気と冷静に向き合うためには、治療方法を正しく知ることが大切です。

がんの症状や進行速度には個人差があります。気になることは担当医に聞きましょう。担当医に聞きにくいときは、看護師やがん相談支援センターへの相談も可能です。

3. 身近な人に打ち明ける

3つ目は、身近な人に打ち明けることです。

がんについて一人で悩んでいると、ネガティブな感情に襲われる人もいます。考えを整理したいときや気持ちを楽にしたいときは、家族や知人など、話しやすい人に打ち明けてみると良いかもしれません。

4. 治療方針について主治医と話し合う

4つ目は、治療方針について主治医と話し合うことです。

主治医は医学の知識から、検査結果を元に治療方針を提案します。説明をしっかり聞き、不明点があれば遠慮せず質問しましょう。不安なまま治療を続けると、がんに対する恐怖心が増す恐れがあります。

主治医が薦める治療とは異なる治療法に興味がある場合も、まずは主治医に相談してみてください。医療の専門家として、その治療が自身に適しているか判断してもらえます。

主治医と話した内容を忘れないよう、家族や信頼できる人に同席してもらったり、質問や主治医からの話をメモしたりするのも良い方法です。

5. がん相談支援センターに相談する

最後に、がん相談支援センターに相談するのもおすすめです。

がん相談支援センターは全国にあり、無料・匿名で利用できる相談窓口です。対面や電話で、以下のような相談ができます。

  • 検査や治療方法、副作用など治療に関すること
  • セカンドオピニオンを行う医療機関の情報
  • 医療費や介護保険、助成・支援制度などお金に関すること
  • 介護や福祉サービスの利用に関すること
  • 家族や医療関係者との関わり方
  • 退院後の療養生活に関すること
  • 患者会やピアサポートの情報

不安な気持ちが続くときは心のケア専門家に相談する

がんと診断された人の多くは、大きなショックを受けると考えられます。中には、強い不安や落ち込みが長引く人もいるでしょう。

時間が経つにつれて困難を乗り越え再適応する力は、人間が本来持つ力です。しかし、心の変化にかかる時間には個人差があります。がんによるストレスから適応障害やうつになる場合があるため、適切な心のケアを受けた方が良いこともあります。

専門家による心のケアが必要な精神状態

専門家による心のケアが必要なのは、時間が経過しても落ち込んだ状態が続き、日常生活に支障が出るときです。適応障害やうつの可能性も考えられます。

がんによる適応障害は、がんと診断された動揺が続いている状態です。不安で眠れなくなったり、仕事が手に付かなかったり、自宅に引きこもったりする場合があります。

うつは、適応障害よりも落ち込みがひどく、何もできない状態が2週間以上続き、日常生活にも支障が出る状態のことです。不眠、食欲不振、頭痛、肩こり、悲観的な考え方をするなどさまざまな症状が現れます。

がん患者の心のケアを相談できる専門家

がん患者の心のケアを相談できる専門家は、精神腫瘍医や臨床心理士です。

精神腫瘍医は、がんに関連する心のケアを専門的に治療する医師で、精神科医や心療内科医が担当しています。臨床心理士は、不安や落ち込みに対して心理学に基づく知識や技術を用いて問題にアプローチする心の専門家です。

心のケアが必要なときは、担当医や看護師、ソーシャルワーカーに専門医を紹介してもらえるよう相談してみると良いでしょう。

がんは定期的な検診による早期発見が大切

がんは誰でもなる可能性がある病気です。現在は、日本人における2人に1人は何らかのがんになるとされています。

一方で、医学の進歩によりがん治療は発展し続けています。治療効果を高めるためには早期発見が重要なため、定期的ながん検診を受けましょう。

がん検診で早期発見することが大切

がんは早期発見と早期治療が重要です。早期に治療すれば、治療による体への影響や経済的な負担が軽減され、治療にかかる時間も短縮できます。

がんを早期発見するには、定期的にがん検診を受けることが有効です。しかし、がん検診は早期発見によりがんの死亡リスクを低下させるメリットがある反面、バリウムの誤嚥や腸閉塞、内視鏡検査による出血や穿孔、放射線の被ばくなど偶発症によるデメリットもあります。

国ががん検診のメリットとデメリットを科学的根拠に基づき判断して、検診を推奨しているのは胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの5つです。検査項目・対象年齢・受診間隔をまとめると、以下の通りです(※)。

種類 検査項目 対象年齢 受診間隔
胃がん
※検査項目は受診者がいずれか一方を選択
問診および胃X線検査 50歳以上 2年に1回
問診および胃内視鏡検査 50歳以上 2年に1回
大腸がん 問診および便潜血検査(免疫法) 40歳以上 1年に1回
肺がん 問診および胸部X線検査および喀痰細胞診 40歳以上 1年に1回
乳がん 問診およびマンモグラフィ検査 40歳以上 2年に1回
子宮頸がん
※30歳以上の検査項目については、自治体がいずれか一方を選択
問診、視診、子宮頸部の細胞診および内診 20歳以上 2年に1回
問診、視診、子宮頸部の細胞診および内診 30歳以上 2年に1回
問診、視診、子宮頸部の細胞診およびHPV検査単独法
(住民検診のみ。厚生労働省が示す要件を満たす自治体に限り実施可能)
30歳以上 5年に1回

がん検診を受ければ、確実にがんを見つけられるわけではありません。見落としや急速に進行するがんもあるため、適切な間隔で定期的に受けることが大切です。

※参考:国立がん研究センター.「がん検診について」.“2.どんながん検診を受けるべきか”.
https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/about_scr01.html,(参照 2024-09-30).

がんの標準的な治療方法

がんの診断を受けたら、部位や病期により治療方針を担当医と相談して決め、できるだけ早く治療を開始することが大切です。がんの標準治療は薬物療法、手術療法、放射線療法の3つで、がんの三大治療とも呼ばれています。

1. 薬物療法

1つ目は薬物療法です。薬物療法には化学療法やホルモン療法、分子標的療法などいくつか種類があり、内服薬、注射、点滴などを用いて薬を注入します。がんの治癒、進行を抑える、症状を和らげるなどの効果が期待でき、全身に作用するため進行したがんにも有効です。

薬物療法だけを行う場合や、手術療法でも薬物療法を併用し術前に腫瘍を小さくして手術しやすい状態にしたり、手術後に再発リスクを低減させたりするために行う場合もあります。

2. 手術療法

2つ目は手術療法です。手術療法は、がんやがんのある臓器を切除する治療法です。がんが原発巣にとどまっている場合は、手術でがんを取り除くことで完治が見込めます。しかし手術療法は傷の治癒に時間がかかったり、切除した部位や手術内容によっては体の機能が失われたりする可能性があります。

3. 放射線療法

3つ目は放射線治療法です。放射線治療法は、がん細胞やがん細胞の周辺に放射線を照射してがん細胞を破壊する治療法です。放射線治療法の目的には、局所的な治療でがん細胞を破壊することによるがんの完治や、がん細胞を減少させることによる症状の緩和が挙げられます。

免疫細胞治療は近年注目を集めているがん治療法

近年注目されている免疫細胞治療は、体の免疫を強化することで、がん細胞を抑え込む治療法です。具体的には、自分の免疫細胞を取り出しがん細胞を攻撃する力を強化・増幅して体内に戻します。

免疫細胞治療は全身に作用するため、進行したがんの治療にも適用できる可能性があり、自分の免疫機能を利用するので副作用が少ない点が特徴です。また三大治療との併用も可能で、相乗効果により高い治療効果が期待できます。

がんが怖いという気持ちと向き合って、前向きに治療を受けよう

死に至る病気のイメージがあることから、がんを怖いと感じている人は多いです。もちろん、がんにかかった人が不安を感じるのは自然なことです。がんだと診断されたら、前向きに治療を受けるためにも自分を責めず、周囲の人や担当医など、相談できる人を見つけることをおすすめします。がんという病気や治療法について、よく知ることから始めると良いでしょう。

治療による痛みや副作用が怖い人は、免疫細胞治療も検討してみてください。免疫細胞治療は、がんの三大治療と併用でき進行したがんにも適用できる可能性があります。

瀬田クリニック東京では、患者さんの免疫機能やがん細胞の免疫的特性を診断して、複数の免疫療法の中から、個別にもっとも適切なものを選択する個別化医療を行っています。そして、患者さんお一人おひとりにとって最適な治療法を見極め、提供しております。

免疫細胞治療に関心のある人は、ぜひ瀬田クリニック東京にご相談ください。

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